2019 Fiscal Year Research-status Report
中堅看護師の教育力深化を目指したアクティブラーニング型研修の開発と評価
Project/Area Number |
18K10195
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 玲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (20281561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 文枝 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00291740)
東 宏行 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00425373)
宮部 明美 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (10708522)
西田 乃生子 (山口乃生子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70381431)
中澤 良子 (大場良子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80381432)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中堅看護師 / 教育力 / アクティブ・ラーニング / 研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中堅看護師の教育力育成を目指した研修プログラムを独自に作成し、中堅看護師の教育力深化を目指した効果検証を目的としている。フェイズⅠからフェイズⅢで構成して取組む計画で、中堅看護師の教育力深化を目指したアクティブラーニング型研修プログラムを開発し、その効果を検証する評価を行う。 平成30年度は、アクティブラーニング型研修プログラム案の策定に着手した。平成28~29年度にかけて研究者らとS県内A医療機関の看護職で実践した各病棟で教育を担当する中堅看護師を対象にした「エデュケーションナース養成研修」の研修成果を分析し、研究内容の課題を明確化した。中堅看護師が取り組みやすい教材開発、リフレクションとピア評価方法に課題があること、学生の授業への参加体験学習の有用性が得られ、プログラムの修正点について検討を開始した。また、アクティブラーニング型研修プログラムの介入評価に使用できる評価方法の検討は、ディープ・アクティブラーニングの視点から問題解決思考力やリフレクション力などの評価方法、定量的評価が可能な手法について検討した。 令和元年度は、Rodgersの概念分析の手法を用いて「中堅看護師の教育力」の概念分析を実施し、その定義を明確化する作業を実施した。この概念分析の結果をもとに、アクティブラーニング型研修プログラム案を修正する作業の準備に入った。 また、中堅看護師を対象としたアクティブラーニング型研修の予告を兼ねて、S県内の医療機関において、教育研修を企画および運営する立場の看護師を対象に「エデュケーションナース研修の実践報告会-中堅看護師の教育力を高めるためには」を開催した。なお概念分析結果については次年度の日本看護教育学学会学術集会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中堅看護師の教育力に対する定義の整理と研修プログラム作成の作業が前後したことで、プログラムの見直し作業に遅れをきたしている。 研究Ⅰ.アティブラーニング型研修プログラム案の策定:S県のA医療機関における中堅看護師を対象にした「エデュケーションナース養成研修」で得られた介入結果より得られた研修内容の分析より、取り組みやすい教材と評価方法の見直し、看護学生へのアクティブラーニング授業の参加体験の有用性などが得られた。ここでの実践結果をベースに、中堅看護師に向けた研修プログラム内容を検討している。 研究Ⅱ.アクティブラーニング型研修プログラムの試行と修正:中堅看護師の教育力深化を検討する上で、「中堅看護師の教育力」の定義を明確化するために、Rodersの手法を用いて先行研究より概念分析をした。属性、先行要件と帰結についてカテゴリーとサブカテゴリーを抽出し、「中堅看護師の教育力」の定義を整理した。中堅看護師の教育力は、看護実践や問題解決行動、自己研鑽を繰り返すことで高まることを導き出し、研究Ⅰで検討した研修プログラム内容および定量的な評価方法の見直しをしている。 研究Ⅲ.アクティブラーニング型研修プログラムの展開と評価:複数の医療機関に勤務する中堅看護師を対象に展開する準備として、令和2年2月に、S県内の医療機関で教育研修を企画または運営する立場の看護職を対象に「エデュケーションナース研修の実践報告会-中堅看護師の教育力を高めるためには」を開催した。約50名の参加者があり、教育研修を企画・運営する看護職が中堅看護師に求める能力、また研修コンテンツ情報の希求ニーズがあることなどが把握できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、S県内の医療機関に勤務する中堅看護師を対象に、作成したアクティブラーニング型研修プログラムを実施する予定だが、COVID- 19による長期的な感染対策を考慮すると、研修の企画内容を再考する必要が生じている。国内およびS県内の感染の動向を鑑みて、開催時期や研修方法を感染症予防に配慮した形で実施できるように見直す予定である。こうした影響から、アクティブラーニング型研修プログラムの実施と評価は、研究最終年度の令和3年に延期することを含めて研究計画を見直す。
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Causes of Carryover |
残額が生じた主な理由は出張旅費が未使用であり、予定していた研修への参加を中止としたこと、研究の進捗に遅れもあり研究成果を発表する機会がなかったことが要因である。次年度は研修開催、学会発表なども控えていることから旅費の支出を予定している。
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