2018 Fiscal Year Research-status Report
情報処理能力の回復を視点とした精神機能のモニタリング指標の開発
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18K10201
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小野 博史 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (70707687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 歩 兵庫県立大学, 看護学部, 臨床講師 (30733498)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / アセスメント / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
調査の開始にあたり、周手術期看護の経験が5年以上ある看護師を対象に、臨床で実際にどのような情報からせん妄を判断しているのか、そのような情報を活かしてどのようにせん妄の管理を行っているのか、せん妄ケアを行っていくうえで困難に感じていること、どのようなときにケアの効果を実感できるか、せん妄モニタリングの取り組み、についてインタビュー調査を実施した。その結果、看護師は尺度を用いた定量的なデータよりも、患者の態度や疎通性、認識内容、家族の見立てなど、「患者の今」についての定性的なデータを活用して評価していた。また、せん妄を発症するとケアが届かなくなるという理由から、そのような定性的なデータを通して「せん妄の予兆」を察知し、「燃え上がらせない努力」を行っていた。一方でモニタリングについては「尺度を用いた定期的な評価」と答えることが多く、普段の実践とモニタリング方法との間に乖離が存在していることがわかった。この結果については日本看護科学学会で発表を行う予定である。 行動レベルを基準とした術後患者の精神機能のモニタリング指標については、1施設での調査を継続しており、新たに2施設を追加してデータを収集する計画となっている。1施設でのパイロット調査において、行動レベルをアセスメントする際に「ケア中の行動レベル」ではなく、「ケアが終わったあとの行動レベル」に着目することが重要であることが明らかとなったため、修正版のアセスメント用紙を作成して本調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アセスメント用紙を用いた調査を実施するにあたり、看護実践を通したアセスメントに協力する看護師へのアセスメント方法の教育に時間がかかったため、調査の開始が遅れている。 モニタリング指標の開発プロセス自体は予定通りに経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在調査を継続中の施設から得られたデータを分析し、アセスメント用紙を改良することを通して、今後の協力施設でのスタッフ教育にかける時間を短縮し、調査期間の短縮を目指す。
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Causes of Carryover |
パイロット調査協力施設のスタッフ教育に時間がかかり、調査計画全体が遅延していること、調査協力施設が近隣にあり、旅費が発生しないために次年度使用額が生じた。 今年度はパイロット調査を終えて本調査を実施する予定であり、計画通りに予算を執行することが可能である。
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Research Products
(1 results)