2020 Fiscal Year Research-status Report
Association of sleepiness in nightwork and previous sleep, working hours, and physical activity among hospital nurses
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18K10205
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90204346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏生 愛知県立大学, 看護学部, 教員 (20251069)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 交替勤務 / 眠気 / 睡眠 / 看護職 / 睡眠教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度実施した、二交替勤務に従事する看護職者27名に対する調査結果を分析した。対象者の半数が35-44歳で、6割が既婚であった。勤務前の主睡眠時間が短いとは言えないが、その3割で寝起きの悪さ(睡眠不全感)を経験していた。前日の勤務が終了してから当日勤務までのインターバルは、日勤前で平均14時間57分、夜勤前で平均22時間16分であった。EUでは勤務時間インターバルを11時間以上確保することが法的義務になっているが、これを下回る事例はなかった。 勤務時間帯の眠気のピーク値が二峰性分布になることが明らかになったので、カロリンスカ眠気尺度で6点以上を強い眠気ありとして分析するのが適当であることが示された。強い眠気は日勤データの38%及び夜勤データの69%で観察された。強い眠気を経験した時刻は、日勤では14時を中心に正規分布を示し、夜勤では3時頃がもっとも多かった。 強い眠気がどのような条件で発生しやすいか、個人要因およびそのときの勤務や直前の睡眠行動との関連の有無を、一般化推定方程式により分析した。日勤では年齢が低いこと(5歳あたりオッズ比0.78)と、勤務前の主睡眠の寝起きの悪いこと(オッズ比0.94)が、勤務時の強い眠気の発生に関連していた。夜勤では、交替勤務経験が短いこと(1年あたりオッズ比0.89)と、勤務前の主睡眠と仮眠の合計時間が長いこと(1時間あたりオッズ比1.34)が、勤務時の強い眠気の発生に関連していた。以上から日勤でも夜勤でも、ヘルシーワーカー効果が存在する可能性と、勤務前の睡眠の質の悪さが勤務中の眠気の要因である可能性が示された。しかし、前日のシフト、前の勤務からのインターバル時間、定常的な職業性ストレス、勤務前の就寝時刻・起床時刻等との関連は見られなかった。 現在、勤務中の身体活動量の影響、および別病院で三交替勤務に従事する看護職者30名の調査結果について、分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はまず、前年度実施した二交替勤務に従事する看護職者27名に対する調査結果を分析した。これに引き続き、三交替制の別病院でも看護職者30名に対して同様の調査を実施した。ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大により多くの病院が非常態勢に入ったため、この調査の実施は予定より大幅に遅れた。また、もう一つの病院でも調査を実施して、二交替と三交替の勤務者のテータを追加する予定であったが、これを年度内に実施することができなくなった。以上の結果、研究計画の1年延長を申請するに至ったので、最終的な知見は、令和3年度内にまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
二つ目の病院での調査結果は現在分析中である。三つ目の病院(広島県)には既に協力の同意を得ており、新年度の情勢が落ち着き次第、調査を実施することになっているので、令和3年度中にすべての分析を終了する予定である。
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Causes of Carryover |
一部調査が遅れて次年度実施となったため、これに必要な謝礼および旅費については次年度に予算執行する。
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