2021 Fiscal Year Research-status Report
倫理的看護実践の推進を目指したリーダー養成のための研修プログラム・教材の開発
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18K10213
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮脇 美保子 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (10263493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒見 隆信 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 特任教授 (30150410)
宮林 郁子 清泉女学院大学, 看護学部, 教授 (40294334)
松嵜 愛 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 助教 (80846478)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 看護倫理 / 看護倫理研修プログラム / サーバントリーダーシップ / 倫理的職場風土 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は前年度末に実施した看護倫理研修プログラムに関するアンケートをもとにデータを分析し、研修プログラムの効果を検討した。本研修プログラムの目的は、組織における看護倫理の定着を目指すための倫理的リーダーを育成することである。Fadelらは、教育の要素として学習者は、1)知識(Knowledge):何を知っていて、何を理解しているか、2)スキル(Skills):知っていることをどのように用いるのか、3)人間性(Character):どのように行動し,どのように世界とかかわるか、 4)メタ学習(Meta-Learning):どのように省察し、どのように適応するか の4つを挙げている。本研究においても、この4要素を参考に分析した。その結果、本研修は参加者が各回の研修を受けた後にアクションを起こすことにつながっており、その効果を省察することができていた。参加者がアクションを起こす上での主たる動機付けとなっていたのは、サーバントリーダーシップであった。参加者は、サーバントリーダーシップを学ぶことで、それまであきらめていた現場の環境を自分にも変えられることに気づいた。 参加者は、サーバントリーダーシップの特性を意識しながら倫理的職場風土の醸成に取り組んでおり、その過程で自身の強みを発見したり、課題を再認識するなど、実践を通した振り返りができていた。また、参加者は、倫理的職場風土が醸成されることで、患者を主語とした考え方に変化し、看護師間だけでなく他の医療従事者とのコミュニケーションの促進につながる経験をしていた。 本研修は、コロナ禍で実施したものであり、医療現場は多忙を極めていたが、緊縛した状況の中で、サーバントリーダーシップを発揮しようと試みた参加者と状況には良い変化があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対面での実施を計画していた看護倫理研修プログラムは、コロナ禍で3回時期を延期したものの対面による実施は困難と判断し、オンラインでの実施となった。本研修の効果については、データを分析し、2022年3月に国際学会でオンライン発表した。 また、研修を実施する前に海外で倫理的職場風土の醸成に努めている医療機関を視察し、意見交換する予定であったが、こちらはコロナ禍で延期が続いており、未だ実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年3月の学会発表で参加者と意見交換した内容もを踏まえ、次年度は、研究成果の論文投稿を予定している。また、未実施となっている海外の医療機関を視察し、本研究の成果をもとに意見交換することを計画している。
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Causes of Carryover |
看護倫理研修プログラムを対面からオンラインに変更したこと、研究成果の発表を国際学会で行う予定であったが渡航困難となったためオンライン発表に変更したこと、海外の医療機関を視察する計画はコロナ禍のため未実施状態であることが、次年度使用額が生じた主たる理由である。 次年度は、研究成果を論文投稿する際の、ネイティブチェックおよび海外の医療機関の視察、共同研究者との対面による会議などを計画している。
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