2020 Fiscal Year Annual Research Report
Creating an ethical response manual for handling patients with dementia and building a remote advice system
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18K10220
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Research Institution | University of Human Environments |
Principal Investigator |
伊藤 千晴 人間環境大学, 看護学部, 教授 (20434574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 惠美子 人間環境大学, 看護学部, 教授 (50434577)
栗田 愛 人間環境大学, 看護学部, 講師 (50759149)
早瀬 良 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (90571927)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 救急医療 / 認知症高齢患者 / 倫理的問題 / 対応マニュアル / 遠隔研修 / 遠隔アドバイスシステムの構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢患者が増加する中,救急医療では対応に困難をきたしている。そのため認知症高齢患者の対応マニュアルの作成が急がれる。そこで3つの調査研究に取り組んだ。1)対応マニュアル作成のための実態調査。2)実態調査の結果を基盤としたマニュアル案の作成。3)遠隔研修,ネットワークの構築と遠隔アドバイスシステムの構築。 1)の調査では,救急医療に勤務する看護師の認知症高齢患者に関する倫理的問題を明らかにし,その特徴を検討した。日本救急医学会に所属している全国の救急指定病院289か所で救急医療に勤務する経験2年目以上の看護師を対象とした。結果,日本の救急医療では,全体の90%以上の病院で認知症高齢患者を受け入れているが,70%の看護師は困難を感じながら看護ケアを行っている現状が明らかになった。認知症高齢患者の「尊厳及び権利」「自己決定の権利」「安全の確保」,具体的には身体拘束,医療従事者の言葉使いや態度,意思決定支援などの内容を基盤とした対応マニュアルを作成する必要があることが示唆された。 2)では1)で明らかになった倫理的問題を中心に,共同研究者と臨床の看護管理者、また倫理の専門家を交えて対応マニュアルの作成に取り組んでいる。残念ながらCOVID-19の影響で対面での検討会が進まず,完成までには至っていない。オンラインでの意見交換を進めており,引き続き完成に向けて検討をしていく。 3)認知症高齢患者の対応マニュアルを広く普及し,中小規模病院などの看護師を対象とした看護倫理に関する遠隔研修を実施し,ネットワークシステムを構築,リアルタイムに問題を解決し対応ができるよう,ホームページを立ち上げた。今後はさらにスマートホンやタブレット端末を活用したアプリケーションソフトを開発し,より効果的な遠隔アドバイスシステムを構築していく。最終的に認知症患者の尊厳と権利が守られる医療への変革につなげていく。
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Research Products
(5 results)