2019 Fiscal Year Research-status Report
臨床看護教育における教育担当者育成のための基礎調査と教育プログラム開発
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18K10230
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
前田 留美 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 特任講師 (60341971)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 現任教育 / シミュレーション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年現任教育でもシミュレーション教育の需要が高まっており、昨年度文献検討を行った内容を国内・国際学会で発表した。現任教育におけるシミュレーション教育は、災害時対応、急変時対応、新人看護職員の技術研修といったタスクトレーニング、アルゴリズムトレーニングと呼ばれる技術教育・手順教育が中心であった。 国際学会で発表した際の他国の研究者との交流を通じて、諸外国も同様にタスク・アルゴリズムトレーニングから徐々に看護師の臨床判断力を養う「シチュエーショナル・トレーニング」が活用されるようになったこと、課題はシミュレーションシナリオ作成と教育者育成であること、災害時のシミュレーション教育についてはハワイや台湾も同様の課題を抱えており、協働できるのではないかと示唆を得た。 また、シミュレーションシナリオ作成ツールとして、昨年許可を得て翻訳していたNational League for Nursing(全米看護連盟)のシナリオ作成ガイドラインを、さらに逆翻訳し、日本語版としての信頼性・妥当性を確保した。本ガイドラインを利用したシミュレーション教材作成ならびに教育者育成は、次年度以降検討する予定である。 さらに、臨床看護教育者、眼科医、工学系大学教員と協働した「ロービジョン(弱視)患者をケアする看護師の育成プログラム」、千葉県の小児看護専門看護師、大学教員との共同研究として行った、成人科から小児をケアする病棟へ異動した看護師のへの質問紙調査結果を踏まえた「小児看護を学ぶ教育プログラム」の作成に着手した。 どちらも米国の教育者コア・コンピテンシーを踏まえて教育プログラムを作成しており、コンピテンシーを日本の現任教育者にどのように適用するかについて、実践を踏まえながら検討してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コア・コンピテンシーについては教育ニードを把握してニードに応じた現任教育プログラムの作成を通じて、日本の臨床看護教育者が備えるべき能力について検討している。同時にシナリオ作成ガイドラインの翻訳など、ツール作成も進行している。 しかし、当初計画していた施設等を対象とした現任教育の実態調査が進んでない。新型コロナウイルス感染症対策で対象となる施設が対応に追われていること、自粛要請で倫理審査委員会が休止していることなど、不可避な原因の遅れである。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理審査委員会の再開等、状況が改善次第調査に着手できる体制を整えている。また質問紙を用いた調査ではなく、現任教育を担当する教育担当者へのインタビュー調査への変更も検討する。 ロービジョン患者ケアを行う看護師への教育プログラム、小児病棟に異動してきた看護師への教育プログラムの作成、教育者のコア・コンピテンシーの検討は継続し、教育プログラムのにならず、プログラムを実施する教育者への教育内容も併せて検討してゆく。
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Causes of Carryover |
シナリオ作成ガイドラインの翻訳等に予定していたほど費用が掛からなかったこと、質問紙調査ができなかったことが上げられる。 次年度は新型コロナウイルス感染対策の状況に応じてすぐに調査が実施できるよう準備を整えること、また研究方法の変更を検討するとともに、教育プログラムで使用する教材開発の費用として充当する予定である。
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Research Products
(3 results)