2018 Fiscal Year Research-status Report
看護学生の自己調整学習の特徴-「自ら学ぶ力」を育成する方略の探索-
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18K10235
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 ひとみ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 明美 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (10341976)
松本 智晴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (80540781)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自己調整学習 / 看護学生 / 自ら学ぶ力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は看護学生の学習のプロセスにおける自己調整学習の特徴を明らかにするために、正常を理解する『解剖・生理学』、正常な機能の破綻により発生したメカニズムを統合的に理解する『疾病・病態学』、「知る」「わかる」段階から「使う」「実践できる」段階に到達するための『看護学実習』に対する看護学生の自己調整学習尺度を作成し、教科の違いや学年進行に伴う変化について検討することを目的としている。初年度である本年度は、自己調整学習の3段階における特徴的な心理学的プロセスを引き出すための質問項目を決定するために、看護系大学生1年生16名を対象に『解剖・生理学』についてMicroanalysisの質問項目を使った予備の自由記載による質問紙調査を行った。その結果、『予見の段階』の目標設定では、「身体の構造や機能を理解する」「身体の構造や機能を理解することで、他の科目の理解を深める」という記述があった一方、「単位を取る」という目標も多かった。『遂行の段階』の学習方略としては、「授業をしっかり聞く」「ノートをまとめる」「自分で身体を動かしながら考える」「わからないところは質問する」等が挙げられたが、授業期間中での学習状態のチェックを行った学生は1名しかいなかった。『自己省察の段階』では、帰属の部分では「勉強不足」という回答が多く、適応的推論では「復習する」といった具体的でない回答が多かった。以上の結果から、適切なセルフモニタリング、自己内省が出来ていない学生が多かいことがわかった。来年度は、『解剖・生理学』に加え、『疾病・病態学』と『看護学実習』についても、今回用いたMicroanalysisの質問項目を使った面接調査を行い、各教科の尺度作成のための質問項目を抽出していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査項目の検討に手間取り、調査時期が遅れてしまったため、授業進行にあわせた調査が行えず、データ数が少なくなってしまった。しかし、調査項目については、妥当であることが確認できたことから、来年度は計画を遂行できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
『解剖・生理学』に加え、『疾病・病態学』と『看護学実習』についても、今回用いたMicroanalysisの質問項目を使った面接調査を行い、各教科の尺度作成のための質問項目を抽出していく。調査で得られたデータを、目標設定、学習方略の計画、結果予期、学習方略、メタ認知、原因帰属について分類し、先行研究から抽出した質問項目の類似性、差異性を検討し、尺度作成のための質問項目を精選する。
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Causes of Carryover |
今年度は調査項目の選定に時間がとられ、データ収集数が少なかったため人件費・謝金がかからなかった。来年度は面接調査と質問紙調査を計画していることから、人件費・謝金の増額と質問紙調査のための郵送費に経費がかかる予定である。
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