2019 Fiscal Year Research-status Report
看護学生の自己調整学習の特徴-「自ら学ぶ力」を育成する方略の探索-
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18K10235
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 ひとみ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 明美 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (10341976)
松本 智晴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (80540781)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自己調整学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
A県内の医学科、看護学科、検査技術学科、理学療法学科の学生863名を対象に、『解剖学』『生理学』『病態学』『看護学実習』について、授業開始直後、授業中盤、試験終了後に自己調整学習のサイクルにそった調査を行った。 『解剖学』『生理学』『病態学』『臨地実習』すべてに対して多くの学生が授業開始直後、授業中盤、試験終了後を通して“重要である”と回答していた。『解剖学』『生理学』『病態学』で“学習目標を設定している”は、授業進行に関係なく4~5割であり、“授業進行中に自分の学習状況をチェックしている”は1割、“合格点をとれる自信がある”は3~4割であった。『臨地実習』については、“学習目標を設定している”は、開始直後は68%、実習中盤は53%と減少していたが、“実習進行中に自分の学習状況をチェックしている”は実習中盤では33%、実習終了時では47%、“合格点をとれる自信がある”は、開始直後は14%から実習中盤は34%に増加していた。 「合格点をとるために何をする必要があるか」の自由記載についてテキストマイニングによる分析を行った結果、『解剖学』『生理学』『病態学』の抽出語は類似しており、“復習”、“授業”、“勉強”、“覚える”、“理解”といった語が上位を占めており、共起ネットワーク分析の結果、“テスト前だけでなく勉強する”、“内容を理解し説明できるようになる”、“ポイントをおさえる”が示された。そして、『解剖学』『生理学』では“ノート”、“まとめる”、“描く”といった語に特徴が見られ、学習方略として、絵を描いたり自身の身体を使って視覚的にイメージする方略が抽出できた。『臨地実習』は、座学とは異なり、“コミュニケーション”、“考える”、“積極的”、といった語に特徴が見られ、実際の現場で患者や看護師との関わりを通し能動的に学習する方略がとられていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染予防のため、授業や試験方法が変更になり、調査が最後まで完結できていない。しかし、各学習についての学習方略は収集できたことから、尺度開発と介入プログラムの作成に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は介入の評価指標となる尺度を作成する予定である。2020年は新型コロナウイルス感染予防に伴う授業方法の変更があり、尺度についての調査は難しい可能性が考えられる。落ち着いたらすぐに調査できるように体制を整える。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大予防のため、授業や試験が中止になって、調査が完了できなかった。今年度の落ち着いたら、再開する予定である。
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