2023 Fiscal Year Research-status Report
看護学生の自己調整学習の特徴-「自ら学ぶ力」を育成する方略の探索-
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18K10235
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 ひとみ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 明美 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (10341976)
松本 智晴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (80540781)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己調整学習 / 学習方略 / 解剖生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
『解剖生理学』における学習方略と定期試験の点数の関係を明らかにするために、 看護系大学1校の看護学生を対象に、授業開始直後(開始)、 授業中盤(中盤)、試験終了直後(試験後)に自己調整学習のサイクルにそったWeb調査を行った。 調査票は、各回の調査時点の『解剖生理学』に対する興味、学習目標の有無と内容、学習方略、試験で合格をとれる自信とし、試験後は目標達成度についても調査した。分析は、基本統計量、『解剖生理学』に対する興味の有無・学習目標の有無・試験で合格をとれる自信の有無と学習方略との関連をSPSSを用いて算出した。 『解剖生理学』の定期試験の点数と授業への興味、目標並びに自信との関係を調べた結果、開始では興味、目標、自信ともに“あり”が有意に点数が高かったが、中盤ではいずれも有意な差はなかった。試験後は目標と自信の“あり”が定期試験の点数は高かった。開始時は学習方略に差が見られないが、授業が進むにつれて、興味や目標“あり”は使用している学習方略が増えていくことが分かった。 定期試験の点数が80点以上(高得点群)と80点未満(低得点群)に分けて、学習方略を比較したところ、高得点が開始時は「勉強に必要な教材を購入することから始める」「科目を好きになるよう努力している」「理解するまで繰り返し勉強する」、試験後は「科目を好きになるよう努力している」「授業の資料を使って勉強する」「理解するまで繰り返し勉強する」が有意に高かった。これらの結果から、より良い成績を獲得するためには、授業開始時は学習に向かう準備を整えるための学習方略、授業を理解するためには授業の資料を使って繰り返し勉強するという学習方略が関係することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究期間の途中で新型コロナ感染症が発生し、授業の中止、授業方法の変更等により、感染症パンデミック前後での学習方略に違いがみられることがわかった。そのため、パンデミック前に作成した尺度が一部使えないことがあり、新たに検証が必要となり、時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は1施設のみの調査となったが、解剖生理学に焦点をあてて、対象施設を開拓し、対象者数を増やし、より信頼性のあるデータを蓄積していく。
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Causes of Carryover |
調査方法をWeb調査に変更し、研究者で作成したため、郵送費等が削減され、次年度使用額が生じた。
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