2019 Fiscal Year Research-status Report
安全・快適、コストパフォーマンスを実現する清潔ケアキットの開発と推進戦略の構築
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18K10242
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
松村 千鶴 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (50331864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 化繊タオル / 生地表面の凹凸 / 心地よい素材 / 入院患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の医療現場では,医療技術の高度化に伴って看護ケアの簡便化や省力化が進み,ケアの質を保証することが困難になってきている。申請者らが行った全国調査では,我が国の入院患者の全身清拭は,蒸したタオル(以下,綿タオル)で極簡単に済まされており,看護師は達成感が得られていないこと(松村・深井,2018)がわかった。また,綿タオルには感染の問題も報告されている。このようなことから,綿タオルに代わる清拭素材の検討と,その効果を実証する研究が急がれている。 そうした背景から,申請者らはこれまでに,市販されている多くの化繊タオルの中では,薄型の化繊タオルが最も効果的であること(松村・深井,2014a),化繊タオルに比べて綿タオルには一般生菌が格段に多く検出されたことを(松村・深井,2014b),証してきた。また,申請者らは健康者に全身清拭を行い清拭素材の違いによる効果も比較した。その結果,両者には物理的形状の違いが影響した長所と短所があるものの,綿タオルと,最も優れた薄型タイプの化繊タオルはほぼ同等な清拭効果をもつことが確認できた(松村・深井,2014c)。しかし,この化繊タオルでは生地表面が滑らかで主観的,客観的に心地よい成果が得られていない状況であった。そこで,私どもは化繊タオルの生地表面の形状の違いに着目し,健康者を対象にした試行ではあるものの全身清拭を実施することによって検討した。その結果,主観的,客観的に心地よさが得られるタオルとはどのような形状であるかを見出すまでに至った(松村・深井,2019)。 このような研究成果を踏まえ,基礎研究から臨床現場への最終段階として,企業の協力を得て改良・試作した化繊タオル用いた清拭の効果について,患者を対象に検討することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの研究成果を踏まえ,健康者を対象とした基礎研究から得られたデータから成果の学会発表,論文投稿を行っている。しかしながら,基礎的研究のデータをもとに臨床研究を検討しているが,新型コロナウイルス感染症の拡大で医療施設側から受け入れを拒否されていることから遅れている。終息すれば臨床でデータ収集を実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を踏まえ,基礎研究から臨床現場への最終段階として,企業の協力を得て改良・試作した化繊タオル用いた清拭の効果について,患者を対象に検討することを計画している
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Causes of Carryover |
基礎的研究の論文発表に時間を費やし研究遂行が遅延しており,次年度に使用することを計画している。2020年度は基礎的研究を踏まえて,医療施設における入院患者30名程度を対象として清潔ケアキットの清拭効果の検証を計画している。それには,医療施設までの旅費,研究補助をしてくれる人への謝礼,対象への謝礼等,多額の使用額が生じることが予測される。
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