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2022 Fiscal Year Research-status Report

看護師の裁量範囲の拡大により生じる倫理的問題と倫理教育のあり方に関する研究

Research Project

Project/Area Number 18K10245
Research InstitutionOita University of Nursing and Health Sciences

Principal Investigator

小野 美喜  大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (20316194)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2024-03-31
Keywords看護倫理 / 看護師の裁量 / 倫理教育 / 特定行為 / 高度な看護実践
Outline of Annual Research Achievements

2015年より施行された「特定行為に係る看護師の研修制度」(以下、研修)により、看護師の裁量範囲が拡大明示された。制度により教育をうけた看護師は令和3年9月現在4,393人となり(厚生労働省資料 2021)、育成が促進している。特定行為は技術的難易度や判断力を要する医療行為であり、その実施には、医療行為を行う看護師の責任や倫理的判断がこれまで以上に伴う。研究者らが実施した調査では、特定行為を行う看護師は、患者の鎮静に係る行為や医師をはじめ他職種連携についての倫理的問題を経験していた(日本看護倫理学会誌13(1),p56-62,2021)。患者に必要な医療行為を提供する看護師の倫理的な姿勢は、重要な要素であり、「看護師の裁量範囲の拡大により生じる倫理的問題と倫理教育のあり方に関する研究」に着手してきた。本研究課題では、新たな経験の中で遭遇が予想される倫理的問題を明らかにすること、それに対応する能力育成のための倫理教育を検討することを目的に段階的に調査を行っている。
特定行為研修は、医療機関、大学、大学院修士など様々な機関が担っており、厚生労働省が定めたカリキュラムを遂行している。そのため①異なる形態の研修機関で育成された看護師に生じる倫理的問題に差はあるか、②異なる研修機関での倫理教育はどのようか、を2つの視点から調査を実施し、教育背景の異なる看護師が経験する倫理的問題を明らかにし、倫理教育の全体像を把握を目指している。①については、過年度に看護師が経験する倫理的問題の一部を学会および学会誌にて公表した。当該年度は看護師の教育背景の差について継続して分析してきた。②については研修機関へ質問紙調査を行い、当該年度は、調査結果を論文投稿し、採択受理された(2024年3月日本看護倫理学会誌掲載予定)。倫理教育内容や教育方法などの実態について報告準備が整った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の課題①異なる形態の研修機関で育成された看護師に生じる倫理的問題に差はあるか、②異なる研修機関での倫理教育はどのようか、を明らかにするために、育成された看護師と教育機関の双方の視点で研究を遂行している。①②とも、当初予定していた調査はほぼ終了した。①についてはデータ分析の継続、学会発表、論文投稿をすすめる段階にある。②についてはすでに論文投稿し、学会誌掲載が決まった。しかし、結果的に回収できた研修機関のサンプルは医療機関が殆どであり、大学院からの回答が得られなかった。そのため本研究の目的であった機関による教育の実態の違いはみることができなかった。調査方法を変更する必要があると考え、大学院での倫理教育についてのデータを収集するために計画を進行している。

Strategy for Future Research Activity

本研究の課題である①異なる形態の研修機関で育成された看護師に生じる倫理的問題に差はあるか、②異なる研修機関での倫理教育はどのようか、について最終年度を迎えており総括する。研究課題①特定行為研修を受けた看護師が経験する倫理的問題については、データ分析等での研究協力者を得て、今年度中に公表にむけて進めていく。研究課題②の研修機関による倫理教育の実態については、コロナ禍の中での調査だったこともあり回収率が低く、サンプルも医療機関に偏っていた。研究目的であった機関による教育の実態はみることができていない。得られたなかった大学院での教育実態については、大学院の独自性・多様性があるとも推測され、画一的な調査ではデータ収集が難しいと考えている。方法を変更してデータ収集する必要がある。そのデータを得るために、大学院の看護倫理教育担当者からのインタビューの実施を計画中であり、あらたな研究課題として計画を立案中である。

Causes of Carryover

研究責任者の業務調整ができずに一部データ分析が進んでいない。最終年度である次年度に該当データ分析に係る経費、学会発表の旅費・参加費、投稿に必要な経費の支出を計画している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 特定行為研修における倫理教育の実態2024

    • Author(s)
      中釜英里佳 宿利優子 小野美喜
    • Journal Title

      日本看護倫理学会誌

      Volume: 16 Pages: 48-55

    • DOI

      10.32275/jjne.20230307c

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2023-12-25  

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