2020 Fiscal Year Research-status Report
「訪問看護師としての倫理的行動自己評価尺度」の開発
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18K10253
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
永野 光子 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (90320712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟島 なをみ 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (00229098)
鈴木 美和 淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (20396691)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 訪問看護師 / 倫理的行動 / 自己評価尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、研究の第1段階である訪問看護師の倫理的行動を解明する質的帰納的研究の成果に基づき、質問項目の作成と尺度化が目標であった。この目標を達成するため、全国の訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師226名を対象とした質問紙調査を行った。返送された167名のうち、訪問看護師の倫理的行動に関する回答が記述されている有効回答137部を分析対象とし、Berelson,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析(舟島なをみ(2018):看護教育学研究、発見・創造・証明の過程 第3版、204-236.)に取り組んだ。看護教育学における内容分析は、第1段階の「研究のための問い」と「問いに対する回答文」の決定、第2段階の自由回答式質問への回答のデータ化、第3段階の基礎分析、第4段階の本分析、第5段階のカテゴリの信頼性の確認、の5段階から成る。今年度は、第2段階の自由回答式質問の回答のデータ化、第3段階の基礎分析、第4段階の本分析に取り組んだ。基礎分析、本分析は共同研究者による検討を重ねながら分析を進めているが、本分析が途中の段階である。本研究が開発をめざす訪問看護師としての倫理的行動自己評価尺度は、質的分析により得られた訪問看護師の倫理的行動を表すカテゴリを尺度の質問項目の基盤として作成する。そのため、精度の高い分析結果を産出する必要があり、引き続き質的分析に取り組み、訪問看護師の倫理的行動を表すカテゴリを産出する。そして、質問項目の作成と尺度化、質問紙の信頼性・妥当性の評価に進む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
訪問看護師の倫理的行動の全容解明に向けた「Bereison,B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析」を用いた質的データの分析に、予定よりも時間を要している。精度の高いカテゴリを産出するため、研究者間の検討を重ねながら分析に取り組んでいるが、基礎分析から見直す必要があるなどの課題があり、計画に基づき分析が進められていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者の協力を得ながら、分析を進める。質的分析は時間をかければ精度の高い結果が得られるというものでもないため、分析に集中して計画的に取り組む必要がある。分析のための研究時間を確保することや、必ず結果を産出するという自覚を持つことが不可欠である。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、質的研究成果に基づき尺度の質問項目の作成と尺度化とパイロットスタディを行うことを目標としていたが、質的分析が遅れているため、質問項目の作成と尺度化ができておらず、パイロットスタディに要する経費等の支出がなかったためである。
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