2021 Fiscal Year Research-status Report
精神科病棟の看護におけるEBPの実践適用ツールおよびモデルの開発
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18K10256
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
小宮 浩美 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (10315856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 全 東京交通短期大学, 運輸科, 教授 (70572220)
加藤 隆子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (00794736)
堀川 英起 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (90724138) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神科看護 / EBP / 実践適用 / インプリメンテーション / ICT / 知識移転 / 学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神科病棟の看護におけるEBP(Evidence Based Practice)の実践適用ツールを作成し、実践適用モデルを開発することが目的である。 実践適用ツールのコンテンツ作成のため、精神科病棟の看護におけるEBPの知見を収集した。しかしながら、「身体拘束」「多飲水」「不穏」「不眠」「活動」に関する我が国の文献を検索したところ、研究方法の詳細が述べられている論文がほとんど存在しないことがわかった。そこで、これらに関連性の高い「行動制限最小化」に関する看護についても検索した。日本語論文を検索したところ、251件が該当し、うち原著論文は142件であった。そのうち行動制限最小化に関し研究方法について詳細に述べられている3論文の結果を質的に統合した。その結果、行動制限最小化のための患者本人への看護は、持ち込み品の見極めといった【安全の確保】、ワンダウンポジションによる積極的傾聴などの【患者看護師関係の構築】、興味・関心をコミュニケーションツールとして用いるなどの【患者の希望・興味・関心を活かす】、患者と目標や課題を共有するなどの【共同意思決定】、患者と症状の程度を共有するなどの【セルフモニタリングを促す】、プライバシーを確保するなどの【尊厳や自律性の尊重】、看護チーム内の意思を統一する【チームの意思統一】、普段の生活リズムに近づけるなどの【日常生活環境の維持】、患者の注意を背けるような工夫をするなどの【問題行動の背景を踏まえたかかわり】などであった。米国では行動制限を回避するための主要6戦略が明らかにされており、今後はこれらを翻訳したものを今回の結果と統合し、コンテンツの完成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コンテンツ作成のための知見に乏しかったこと、新型コロナウイルス感染拡大により、研究対象病院への立ち入りが困難であった。また、授業等の方針の変更により学内業務の増加があり研究時間や研究協力者の確保が難しかったことから研究計画が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
収集する論文のキーワードを包括的なものにしたことにより、エビデンスの収集を可能とする。新型コロナウイルスの感染拡大による研究協力者へのアクセス制限も緩和されたため、実証的なデータの収集に着手する。
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Causes of Carryover |
研究計画の実施が大幅に遅れたため、次年度使用額が生じた。本年度はコンテンツ作成に着手し、介入研究に着手する。
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