2019 Fiscal Year Research-status Report
Construction of the concept of hospital organization design in transformation period
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18K10258
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
金井パック 雅子 関東学院大学, 看護学部, 教授 (50204532)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 病院組織 / 組織改革 / 看護職の働き方 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、3名の看護部長にインタビュー調査を実施した。インタビュー結果から、いずれの病院においても、在院日数短縮に伴う組織変革が行われていた。特に入退院センターの設置に伴う看護職の役割拡大および看護職の働き方、雇用形態にも変化を及ぼしていたことが明らかになった。看護職の働き方改革では、短時間正職員制度を活用している看護職のそれまでのキャリアを活かし、部署間にて横断的に働く方式を開発している病院もあった。さらに、患者の退院後のケアの充実を念頭に、地域における医療機関との連携をユニークな方法で実践していることも明らかになった。具体的には、「ケアをつなぐ」というコンセプトで、地域の訪問看護ステーションやクリニックに勤務する医療スタッフとの交流の場を設置し、さまざまな事例をもとに病院と地域との連携をはかる試みである。 これまでの研究成果の一部を2019年11月、米国オハイオ州コロンバス市で開催されたEvidence-based Practice National Summit にて口頭発表した。テーマは、”Survey of new needs and implementation of health care services at acute care hospitals in Japan"である。本研究の予備調査において、全国500病院を対象に行った調査結果およびその調査で承諾のあった看護部長へのインタビュー結果を発表した。学会参加者は、400名ほどであったが、日本からは1名のみであった。ほとんどの参加者が米国人であり、日本の医療システムに関して、強い関心を持っており質疑応答も活発に行われた。 これらの成果をもとに、経営学における「組織」の概念を探究し、組織デザインに関する基本概念および病院組織の特徴を精査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅れている主な理由は、インタビューやヒアリングを1月末から3月に予定していたが、新型コロナウイルス感染状況の影響で、看護部長へのインタビューができなくなったことである。また、海外の研究者へのインタビューを2月末に大阪で開催される予定であった学会 The 6th International Nursing Research Conference of World Academy of Nursing Scienceにて実施する予定であったが、新型コロナウイルスの影響で、学会が中止となったため、ヒアリングができなかった。有識者へのヒアリングに関しても、同様の理由から実施することができなかった。ヒアリングを予定していた有識者が大学に勤務する者が多く、1月~3月が時間的余裕ができるはずであった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後に関しては、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたら、看護部長へのインタビュー件数の増加、および有識者へのヒアリングを実施し、研究目的である病院組織デザインの概念構築を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、学会が中止となり旅費の支出がなくなったこと。さらに同理由で、当初予定していたインタビューやヒアリングができなくなり、それらに伴う旅費および謝金の支出がなくなったことによりためである。 今後の計画としては、看護部長へのインタビューおよび有識者へのヒアリングを実施する。学会発表に関しては、2020年7月にSigma Theta Tau International の学会発表を予定している。この学会は、当初アブダビで開催予定であったが、新型コロナウイルスの影響で、virtual conferenceでの開催となった。学会の参加登録はすでに済ませている。参加登録費用としての支出を予定している。 さらに海外の研究者へのヒアリングに関しても、渡航可能な状況になり次第実施する予定である。
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