2018 Fiscal Year Research-status Report
臨床看護師の臨床的論証力の向上支援プログラムの開発
Project/Area Number |
18K10261
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
岡田 純子 京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (70636109)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 佳子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (40224406)
中橋 苗代 京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (60454477)
森嶋 道子 天理医療大学, 医療学部, 講師 (80647785)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 臨床看護師 / 臨床的論証力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、臨床看護師の臨床的論証力の向上支援プログラムを開発することである。本研究は、豊富な臨床経験と高い看護実践能力を有したクリニカルラダーレベルⅤ(日本看護協会レベルのクリニカルラダーに準ずる)の看護師から聞き取った内容にもとづいて臨床的論証力の要素を抽出し、それをもとに、どのラダーレベルの看護師にも活用できるプログラムを開発するという点に独自性がある。 2018年度は、プログラムに使用する事例作成、および、自己評価表作成のために、臨床看護師へのインタビューを行う準備を整えた。具体的には、文献検討にもとづいたインタビューガイドや倫理審査申請書の作成、倫理審査の受審、研究協力施設への依頼などである。 文献検討では、臨床的論証という用語が、臨床判断やクリティカルシンキングと互換性をもって用いられていること、我が国においては、臨床的論証は臨床推論と同じような意味合いの言葉として用いられており、救急場面における臨床推論や、症状別推論トレーニング、特定看護師や専門看護師の臨床推論について述べた文献が多いということを理解した。またこれらの多くは、科学的根拠やデータにもとづいた形式的な思考に焦点を当てており、中には、医師や理学療法士が用いる、診断と治療のための思考をそのまま看護に適用したと見受けられるものもあることがわかった。この結果にもとづき、研究協力者への依頼内容に臨床的論証についての具体的な説明を加筆した。このことにより、研究者が明らかにしたい臨床的論証について、研究協力者の十分な理解を得ることができたと考える。 現在、4名の看護師に協力を依頼しており、今後は個別のインタビューを実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者は、近畿圏内の大規模一般病院に勤務し、日本看護協会版(2016)看護師のクリニカルラダーレベルⅤに相当する看護師である。臨床的論証力はわが国ではあまりなじみがない用語であることを踏まえ、研究協力依頼に先立ち、文献検討を行った。その結果をもとに、臨床的論証力について具体例を用いてわかりやすく説明することができた。当初の予定通り、ラダーレベルⅤの看護師4名から研究協力が得られ、インタビュー日程についても、3月末までに調整を行うことができた。したがって、本研究はおおむね順調に進捗していると考える。今後はインタビューによるデータ収集を進めていく。インタビューに際し、分析と並行して行うことで、より具体的な内容を収集することができると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、4月から5月にかけて、研究協力者に個別にインタビューを実施し、インタビューデータの分析結果をもとに、事例の作成と評価表の作成を行う。分析結果については、研究協力者によるメンバーチェッキングや、共同研究者との討議を行い、内容の妥当性の確保に努める。その後、プログラムのプレテストと修正をおこなう。 臨床的論証力の要素の抽出や事例の作成については、研究協力者による確認が不可欠である。したがって、インタビューの時点で、メンバーチェッキングや事例の確認を依頼することを説明しておく。また、データ分析や自己評価表の作成については、共同研究者間での検討が必要なため、会議を定例化し、日程を定めておく。プログラムのプレテストについては、研究協力者が所属する施設で行うことを予定し、場所の確保や日程調整を行うことを研究協力施設に依頼しておく。
|
Causes of Carryover |
2018年度はデータ収集と分析のための準備期間とし、文献検討や学会での情報収集を行った。2019年度からデータ収集と分析を実施する予定である。分析に際し、会議に使用する液晶モニターを購入予定である。また、会議費や参考資料代として助成費を使用する。研究の進捗に応じて、データをまとめ、研究代表者、研究分担者が順次、学会等で発表する予定である。 2019年度は、プログラムの作成やプレテストを予定しており、実施場所や人材の確保に助成費を使用する。
|