2020 Fiscal Year Research-status Report
臨床看護師の臨床的論証力の向上支援プログラムの開発
Project/Area Number |
18K10261
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
岡田 純子 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (70636109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 佳子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (40224406)
中橋 苗代 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (60454477)
森嶋 道子 天理医療大学, 医療学部, 講師 (80647785)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 臨床的論証力 / 臨床看護師 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、臨床看護師の臨床的論証力の向上支援プログラムを開発することである。 2020年度は、2019年に実施した、専門家によるプログラムの内容妥当性、実践可能性、有益性の評価にもとづいて、プログラムの修正を行った。主な修正点は、研修目標の段階的な設定、シミュレーションシナリオへの患者情報の追加、デブリーフィングで用いるワークシートの構成であった。 修正したプログラムを用いて、臨床経験3~4年目の看護師3名に対してパイロットスタディを実施した。パイロットスタディは、研究者が開発した教材をもとにシミュレーションとデブリーフィングを2回(2回目は1回目終了から4週間後に実施)行い、調査票とグループインタビューにて評価した。評価の結果、シミュレーションについては、設定が現実的で時間配分も適当との意見が聞かれた。また、教材を用いたデブリーフィングによって、臨床的論証についての理解が促進したことが確認された。さらに全体的な評価として、プログラムを予定通りの時間配分で行えたこと、対象者の経験年数の設定も妥当であるとの評価が得られたことなどから、プログラムの実行可能性は高いことが検証された。 今後は、この結果をもとにプログラムの最終的な修正を行い、プログラムを開発する予定である。2021年度は、臨床看護師を対象に複数の病院でプログラムを実施し、有効性を検証する予定である。なお、パイロットスタディからの変更点として、2回目の研修はオンラインでの実施に変更する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本プログラムにはシミュレーションでの実践が不可欠であり、パイロットスタディの実施には、病院施設の協力、臨床看護師の協力、そして、シミュレーションスタッフの確保が必須である。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、臨床看護師を対象としたパイロットスタディを、予定した時期に実施できなかった。そのため、プログラムの開発が遅れた。今後は、感染防止に十分配慮した方法で、想定通りの時期と参加人数を確保した実施を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
本プログラムにはシミュレーションでの実践が不可欠であり、パイロットスタディの実施には、病院施設の協力、臨床看護師の協力、そして、シミュレーションスタッフの確保が必須である。現在、複数の病院に対してプログラムの実施を依頼しており、新型コロナウイルス感染の状況を踏まえて順次実施する方向で調整中である。また、本プログラムは2回の研修を含み、当初は対面での実施を計画していたが、2回目をオンラインでの研修とすることで、感染防止に最大限配慮したプログラムとすることができる。
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Causes of Carryover |
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、プログラムの開発が遅れた。2021年度は、パイロットスタディの結果にもとづいて修正したプログラムを複数の病院で実施し、その有効性を検証する予定である。実施に際し、シミュレーションにおける患者役や会場設営等の補助スタッフに支払う人件費、感染防止のための物品費、病院までの交通費、資料の印刷費などの経費が必要である。
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