2020 Fiscal Year Research-status Report
過食症に対する遠隔認知行動療法のランダム化比較試験による安全性と有効性の検証
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18K10305
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
沼田 法子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任助教 (10725253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
関 陽一 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30757828)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経性過食症 / 認知行動療法 / 遠隔認知行動療法 / 過食 / 自己誘発性嘔吐 / 摂食障害 / 非盲検ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経性過食症に対する有効な薬物療法はなく、英国 National Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)のガイドラインでは精神療法が治療の第 一選択となっている。千葉大学子どものこころの発達教育研究センターで行った、神経性過食症25名に対する過食と自己誘発嘔吐の合計回数の減少を目的とした 週1回50分x16回の認知行動療法において、患者の40%が完全寛解し(過食症の診断を満たさなくなった)、15%がを部分寛解を認めた(Setsu et al. 2018)。 英国のモーズレイモデル「過食症サバイバルキット」に基づき千葉大学で作成したマニュアルを用いた。 本研究は、同様のマニュアルを用いて、過食症の認知行動療法を遠方の患者にも提供できるよう自宅でテレビ電話を用いた遠隔の認知行動療法を行うものである。本研究に先立ち、2018年10月~2019年3月、過食症の遠隔認知行動療法の安全性を検証するためにシングルアーム試験を行っており、県内外から7名がエントリーし、有害事象の報告はなく終了した。(Hamatani et al.2019)。 本研究は、対照群を設けた非盲検ランダム化比較試験であり、介入効果検証を行う。H30年度、実施計画書の作成、マニュアル整備等を行い、現在、当大学 倫理審査委員会にて承認されている。本研究は、介入群16名、対照群16名を予定し、主要評価項目は、過食と自己誘発嘔吐の合計回数とし、介入前後の差を比較する。副次評価項目は、Autism-Spectrum Quotient(AQ)スコアで、治療効果を自閉スペクトラム症傾向の有無で検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は研究計画書作成、倫理委員会の承認を得た。 H31年5月からリクルートを開始し、臨床での実践を開始した。途中、COVID-19の流行によりリクルートが滞った。来院しなくても研究参加できるよう、オンラインでのアセスメント面接ができるよう体制を整備し、倫理審査委員会の承認を得てリクルートを再開した。 現時点では14名の方に遠隔での認知行動療法を実施し、有害事象なく経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響で受信者数が減ったこともあり、リクルートが予定通りには進まなかったため、オンラインでも研究参加ができるよう体制を整備した。今後、ソーシャルネットワークなどを活用し、リクルートにさらに注力していく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の感染流行の影響により、リクルートが進まず研究が遅延したため、謝金の支払いが予定額より少なかったこと渡航制限により旅費の出費がなかったことが挙げられます。
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