2018 Fiscal Year Research-status Report
Developing educational program for psychiatric nurses at special functional hospitals
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18K10306
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野崎 章子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 講師 (90361419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野地 有子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (40228325)
小原 泉 自治医科大学, 看護学部, 教授 (80266642)
森内 加奈恵 千葉大学, 医学部附属病院, 看護師 (40817839)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 特定機能病院精神科 / 高難度精神科看護実践 / 教育プログラム / 治療抵抗性精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、2017年4月時点にて全国に76施設ある特定機能病院精神科病棟における、在来・在宅支援をも視野に入れた高難度精神看護実践の向上をめざし、最終的には教育プログラムの開発を目的としている。2018年度は初年度として、1)特定機能病院精神科病棟において個々の事例や治療にどのように看護師が関わっているのかという状況を明らかにするとともに、2)既存の資料による特定機能病院精神科病棟の状況の明確化、3)そして全国の76の特定機能病院精神科病棟の看護師長を対象に、看護実践の状況、教育状況および困難や教育上のニーズに関する全数調査を行った。 1)では、ある特定機能病院精神科病棟における難治事例の看護実践ならびに治療的アプローチについて分析し、文献検討を加えて発表した。さらに昨今、日本の精神科医療福祉において活躍が著しい当事者がサービス提供者として活動するピアサポーター・ピアスタッフの活動についても、将来的な特的機能病院精神科への導入の可能性に鑑み、医療者との協働という観点から当人達の語りを分析し、発表を行った。また看護師が診療報酬を得て実践できる治療法である認知行動療法について、看護師が看護実践として実施する精神科における認知行動療法について海外文献も含めた系統的文献レビューを行った。米国に赴き、精神科Nurse Practitionerの高度看護実践等の視察や情報収集も実施した。2)では、研究代表者が中心となって厚生労働省にて公開されている特定機能病院精神科病棟の報告書についてレビューを行い、国際学会においてその結果を発表した。3)については2018年度末頃、自記式質問紙を用いた全数調査を実施した。回収率は25%と低調であったが、これまで、同様の調査は皆無であり、貴重な結果が得られた。現在分析中であり、今後、学会ならびに学術雑誌にて公表する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の進行プロセスは、特定機能病院精神科病棟における外来・在宅支援も視野に入れた高難度精神科看護実践向上のための教育プログラム作成・実施・評価をめざす3段階の構成としている。初年度の2018年度は第1段階であり、現在の特定機能病院精神科での看護実践の実態について明らかにする、すなわち、看護実践の範疇Scope of practiceの他、同科の看護管理者が設定している経験年数毎のコンピテンシーの構成要素である知識・技術・態度についての到達目標、教育内容等について質問紙調査を行う計画であったが、計画通り、質問紙調査を実施した。 さらに、質問紙のみならず、詳細な看護実践状況や困難、工夫、教育ニーズを明らかにするため、実際に数人の特定機能病院精神科病棟看護師長に対し聞き取り調査を行うことを予定しているが、それについても、質問紙調査実施時に、数人より聞き取り調査への協力の意思を得られている。2019年度は本研究課題の第2段階であり、聞き取り調査を行った上で、特定機能病院精神科病棟看護師のコンピテンシーについてのルーブリック開発やカリキュラムマップ作成を予定しているが、すでにこの聞き取り調査の協力候補者も得られており、順調かつ確実な第2段階開始への手がかりとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
先述の通り、本研究課題は特定機能病院精神科病棟における外来・在宅支援も視野に入れた高難度精神科看護実践向上のための教育プログラム開発を目指し、そのプロセスは、プログラム作成・実施・評価としている。2019年度は第2段階にあたり、プログラム案を作成する段階である。2018年度の第1段階の調査結果を加え、さらに、聞き取り調査も行い、プログラム案を作成する。研究代表者および分担者にて検討を重ねて推進することに加え、研究協力者として研究代表者らが所属する千葉大学医学部附属病院精神神経科医師や薬剤師、他総合病院や診療所の医師やスタッフからも意見や情報を収集しながら進める。さらに、本研究課題は外来・在宅支援も視野に入れているため、地域の地域活動支援センター等の生活支援サービス利用者やピアスタッフ、訪問看護ステーション看護師等の意見も収集しながら進める予定であり、現在、複数の施設関係者と打ち合わせを行っている。 さらに、2018年度の調査結結果を精神医学系学会ならびに看護系学会にて公表・周知し、研究協力者を広く募る方針である。
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Causes of Carryover |
研究分担者である小原氏との打ち合わせにおいては、テレビ会議等を用い、また別の機会にできるだけ打ち合わせを行うようにし、経費の節減に努めた。また、質問紙調査の質問紙作成の際には必要である書籍購入や文献取り寄せを行う予定であったが、野崎が中心となって行い、情報を共有することによって結果として経費節減となった。小原氏は2019年度には海外の高難度看護実践の状況についても情報収集かつ研究チーム内での共有と、教育プログラム案への反映を行う予定であるので、その際に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)