2021 Fiscal Year Research-status Report
Developing educational program for psychiatric nurses at special functional hospitals
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18K10306
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
野崎 章子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 講師 (90361419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野地 有子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (40228325)
小原 泉 自治医科大学, 看護学部, 教授 (80266642)
森内 加奈恵 千葉大学, 医学部附属病院, 看護師 (40817839)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 特定機能病院 / 高度医療 / 高難度精神科看護実践 / コンピテンシー / 教育ニーズ / 精神科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、特定機能病院(SFH: Special Functioning Hospitals)精神科部門における、精神科看護実践の向上をめざし、同科看護実践向上教育プログラムの開発を目的として2018年に開始した。 最初の段階であった2018年度には、日本全国のSFH精神科部門の病床規模などの施設特性や診療患者・内容に関する概要と、看護実践の範疇等の明確化を行った。次の段階である翌2019年度には、1)全国の複数のSFH精神科部門看護管理者を対象として、看護実践上の困難やニーズについて聞き取り調査を行い教育プログラム案を作成し、2)あるひとつのSFH精神科部門中堅看護師を対象として、高難度精神科看護実践能力(コンピテンシー)発達パスおよび関連促進・阻害要因等について聞き取り調査を実施した。本研究課題の最終段階として、2020年度には、全国の全SFH精神科部門看護師を対象として、上記1)2)にもとづき、実践内容・コンピテンシー獲得・向上ならびに関連要因等について大規模調査を行い、その結果に鑑みて教育プログラム案の洗練を予定していた。しかしながら、2020年度、そして2021年度も同様に、日本全国でのCOVID-19蔓延の影響により、特に本研究ではSFHを対象としていることから、人命救助のための高度救急医療や高度感染対策の核となっている同SFHに対する調査については倫理的配慮ならびに調査の妥当性の観点から取りやめ、2022年度へと延期した。2021年度は、前年度より継続していたSFH精神科部門に関する既存資料のレビューについて国際学会にて発表し、一部は、学術雑誌に論文として投稿した。また、患者の家族への看護実践向上という観点より、SFH精神科部門の看護師と精神障害者の家族会との意見交換を企画・実施し、教育プログラムの構成要素としても有用な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先の研究実績の概要に記述した通り、当初の計画では、3年計画の最終年度の2020年度に、全国の特定機能病院の有床の精神科部門看護師を対象とした調査を行い、教育プログラム案の洗練を図る予定であった。しかしながら、2020年度はCOVID-19の全国的な蔓延の影響に鑑み、調査対象であるSFH精神科部門看護師の業務が平常状態にはなく、さらに、本研究の調査によるSFHの人命救助という本来の業務への支障ならびに、妥当性・信頼性のあるデータ収集が見込めないこと等を勘案し、同調査を2021年度へと延期した。また、2021年度も同様に、再びCOVID-19蔓延のため2020年度と同様の状況となったため、最終的な全国調査を2022年度に繰り越した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2022年度は、前述の通り、本来2020年度に予定していた第3段階としての、教育プログラム案作成・洗練を実施する予定である。このプロセスとして、コンピテンシー発達パスに合わせたプログラム展開とするため、日本全国のSFH精神科部門の全看護師を対象とした質問紙調査を実施する予定である。 これは、これまでの段階においてSFH精神科部門の個別性が高く、看護組織や実践状況も多様であったことや、新人看護師をも対象として、教育プログラムのミニマム・エッセンシャルズ項目、共通項目、およびコンピテンシー発達パスを明確化しようとするものである。 しかし、COVID-19蔓延によって、精神科医療における感染症罹患患者への診療提供が問題となっている。特に日本における精神病床の9割以上が精神科単科病院にあることから、身体管理をも提供できるSFH精神科部門では、また新たな役割や機能が求められている可能性があり、それも同部門の必須の看護実践・能力となっているとも推測される。これは、2018年の本研究着手時には想定していなかった状況や実践項目であるが、今後の世界的規模でのパンデミックの可能性も見越した、また、日本の第8次医療計画への構成要素であることにも鑑み、SFHの機能・役割として、本研究における調査項目および教育プログラム案にも、重要な医療・健康問題として含めることとしている。
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Causes of Carryover |
2021年度には、2020年度よりくりこした全国のSFH精神科部門看護師の全数調査を行う予定であったが、COVID-19蔓延の影響に鑑み、同調査も含め、 2021年度の予定を2022年度に再度、延期したた め、同調査目的の費用を次年度に繰り越した。
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Research Products
(3 results)