2018 Fiscal Year Research-status Report
医療機関と職場の協働によるがん患者の両立支援を促進する人材育成プログラムの開発
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18K10316
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Research Institution | Gifu College of Nursing |
Principal Investigator |
梅津 美香 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (50326112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 美奈子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(移行) (00233479)
布施 恵子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師(移行) (80376003)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 両立支援 / 人材育成 / プログラム開発 / 医療機関 / 職場 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2018年度は、主としてがんに罹患した労働者(患者)の両立支援についての情報収集を行った。 情報収集として、国内の両立支援に関連する文献を検索して研究者間で共有した。先駆的な取組みとして、夜間のがん化学療法を実施している医療機関の情報などが得られた。 次に、がん看護あるいは産業保健関連の学術集会等において、両立支援のためのリーフレット等を収集した。様々な団体が工夫して作成しており、今後のプログラム開発に活かす予定である。 3点目として、岐阜県内のがん診療を行っている医療機関に所属するがん看護専門看護師、がん看護に関連する認定看護師等に、両立支援の現状把握のため、がん患者の就労支援に関する相談窓口、当該施設における就労支援の活動、就労支援への看護師としての関わり、就労支援に対し課題と感じること等について聞き取りを行った。5つの医療圏から2~3施設を選定し、当該年度中に6名の聞き取りを実施した。2019年度も継続して実施し、計13名となる予定である。がん患者の就労に関する相談窓口は、がん相談センターや地域連携の担当部門などで対応している施設や特別な窓口は設定せず外来等で対応している施設などがあった。活動としてはソーシャルワーカーや社会保険労務士との連携等が語られた。看護師としての関わりは、日常の看護活動の中で、患者に仕事のことを確認し相談に乗るといったことなどが挙がった。また、課題として、就労支援について周知はされるようになったがもっと身近な問題としてとらえる必要があるなどが語られた。全員の聞き取りが終了したら詳細な分析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、研究方法として、(1)がんに罹患した労働者(患者)の両立支援についての情報収集、(2)がん看護専門看護師等と職場の両立支援担当者の意見交換、(3)プログラム試案作成および意見聴取、(4)試行版プログラムの試行および完成版プログラムの開発を計画している。 初年度である2018年度は、(1)を中心に実施した。2019年4月には9割終了し6月に完了予定である。さらに(2)の実施に向けて、関係団体等に相談し研究協力者等の紹介を受け、2019年秋に実施できるように準備してきた。6月に所属施設における倫理審査を受審した後、具体的に開始する。 以上から、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.すでに収集した研究データを速やかに分析し、順次研究成果として公表していく。それにより次の段階の研究への協力が得られやすくなるものと考える。 2.様々な機会やルートを用いて研究協力者の確保に努める。特に職場の両立支援担当者である研究協力者はできるだけ幅広く探す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、調査が研究協力者の予定等との兼ね合いで一部2019年度実施になりデータ処理等の費用が少なくなったことによるものである。 2019年度の使用計画としては、2019年度に繰り越した聞き取り調査のテープ起こし、データ整理等の人件費・謝金等として使用することを予定している。
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