2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K10317
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
石光 芙美子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (00453457)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / 周手術期 / 術後認知機能障害 / 看護介入 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年報告されている術後認知機能障害はその後に術後認知症へ進展する可能性がある。そのため術後せん妄の独立した危険因子である認知症および認知機能の低下した患者をも想定した、術後せん妄予防のための看護介入プログラムが必要である。しかし、国内において認知機能が低下した患者を対象に術後せん妄ケアを実践している報告数は乏しく、看護介入プログラムを作成するに十分な知見はない。 そこで令和3年度は、認知機能が低下した待機手術患者の術後せん妄の発症予防および発症後のケアについて、認知機能が低下した患者やせん妄患者への看護に卓越性を有する認知症看護認定看護師および老人看護専門看護師を対象に、これまでの周術期看護の経験において認知機能の低下が疑われる患者を前に術後せん妄ケアの必要性を捉えた状況から、実践したケアに至るまでのプロセスの様相を明らかにすることを目的とした。 研究方法は質的記述的研究とし、新型コロナウィルス感染症拡大の状況から、研究者が直接、対象者からインタビューできる状況にないため、データ収集は全てZoomを用いて行った。対象は日本看護協会のホームページに所属と氏名を本人の同意のもと公開し、さらに老人看護専門看護師および認知症看護認定看護師の両者が同施設(病院)に勤務している看護師のうち、術後せん妄看護の実践経験を持つ看護師とした。研究参加に同意の得られた22名(老人看護専門看護師9名、認知症看護認定看護師13名)の対象者へ、一人あたり平均約53分の半構造化インタビューを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度に予定していた研究計画は遂行したが、新型コロナウィルス感染拡大による業務の拡大や業務量の大幅な増加により、その後のデータ分析に必要な時間を確保することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度はこれまでに収集したインタビューデータの分析を進め、認知機能の低下が疑われる患者に対し、周術期にわたる術後せん妄ケアについて、ケアの必要性を捉えた状況から、実践したケアに至るまでのプロセスの様相を明らかにし、周術期における認知症および認知機能の低下した患者に対する術後せん妄ケアのための看護介入案を作成する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗の遅れにより、次年度使用が生じた。使用計画については、令和3年度に実施したインタビュー調査の分析に係る費用に充てる。また分析によって得られた知見を、インタビュー参加者へ還元するための郵送費や学会発表等の成果の公表等に必要な費用として使用する。
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