2021 Fiscal Year Research-status Report
がん終末期在宅療養者における訪問看護師の臨床判断の実態とプロセス
Project/Area Number |
18K10319
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
栗田 麻美 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00574922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小竹 久実子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90320639)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 臨床判断 / がん終末期 / 在宅療養者 / 訪問看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、がん終末期在宅療養者における訪問看護師の臨床判断のプロセスを明らかにすることである。がん終末期在宅療養者における訪問看護師の臨床判断について、エキスパートの訪問看護師12名にインタビューを実施した。先行研究より、臨床判断に、看護師の価値感が影響を及ぼすことが報告されており、プロセスの分析に先駆けて、インタビューデータを訪問看護師の看護観に焦点を当て、質的記述的に分析を行った。2021年度は、Sigm`s 32 nd International Nursing Research Congressにて「Nersing Perspectives that Serve as the Basis for Clinical Judgments of Visiting Nerse.」のタイトルでポスタープレゼンテーションを行った。発表後に、学会誌への投稿を行う中で、再分析の必要性が生じ、再分析を行った。がん終末期在宅療養者における訪問看護師の臨床判断に影響を及ぼす看護観は、『看護の対象への関心』のコアカテゴリーに、[尊厳を守り支える]のカテゴリーに、【ゆらぐ思いを理解意向に沿う】、【自己決定を支える】、【その人らしい人生を大切にする】、【向き合い寄り添う】のサブカテゴリーが、[つながりで見極め支える]のカテゴリーに、【訪問看護師の役割を自覚し支える】、【療養者・家族を過去・現在・未来で見極め支える】、【地域のつながりで支える】、【訪問看護の質を保証する】で構成されていることが明らかになった。現在、看護観の構造を検討し、論文投稿の準備を行っている。 また、並行してデータを判断のプロセスに焦点を当て、修正版グラウンテッドセオリーにて分析中であり、複数の概念が明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
対象者の訪問看護師へのインタビュー調査は完了している。訪問看護師の臨床判断に影響を及ぼす看護観について、再分析に時間を要したため、プロセスの分析が遅れている。また、新型コロナの感染拡大により、本研究を行える時間が減少してしまったことも要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問看護師の臨床判断に影響を及ぼす看護観の論文を投稿する。並行して、定期的に時間を捻出し、プロセスの分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究の分析が遅れていることにより、予定していた学会や学会誌での発表とその後の報告書の作成が遅れている。次年度は、分析を完了し、海外の学会誌への投稿と発表、研究完了に伴う報告書の作成を計画しており、助成金を使用し計画を遂行したいと考えている。
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