2020 Fiscal Year Research-status Report
身体合併症をもつ精神疾患患者への訪問看護サービスの実態と課題
Project/Area Number |
18K10327
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
荻野 夏子 東海大学, 医学部, 講師 (80266600)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 隆博 東海大学, 医学部, 教授 (00433376)
北村 周美 東海大学, 医学部, 助教 (00631805)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 精神科看護 / 訪問看護 / 身体合併症 |
Outline of Annual Research Achievements |
20年度は研究計画において、2次調査としてのグループインタビューの実施を計画していた。しかし、グループインタビューの実施は困難だった。特に関東近県以外の地域では、新型コロナ感染症予防の観点から、研究者の訪問によるインタビューの実施を断念せざるを得ない状況だった。そこで、1次調査で実施した調査結果の分析および、前倒しで前年度実施したグループインタビューの分析を行った。 1次調査の分析により、身体疾患をあわせもつ精神疾患患者への訪問看護サービスでは、内分泌、栄養及び代謝性疾患をもつ患者に対し、医療処置、家族ケア、精神的ケアを受けている割合が有意に高かった。このカテゴリは具体的には糖尿病や脂質異常などの生活習慣病をもつ患者であり、精神疾患患者がもつ身体疾患のなかで数も多く、訪問看護の支援が多く実施されていた。また新生物をもつ患者はターミナルケアを受けている割合が有意に高く、筋骨格系の疾患をもつものは精神的ケアを受けているものの割合が有意に高かった。 1次調査の結果から、身体疾患をあわせもつ精神疾患患者の身体疾患の構成が明らかとなるとともに、訪問看護で実施されている看護ケアの焦点が明らかになった。この1次調査の結果は第30回日本精神保健看護学会学術集会で発表した。 今後の課題として、1次調査における自由記載の分析、学会発表、そして2次調査のグループインタビューついて安全で効果的な方法を計画実施することである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
20年度は新型コロナウイルス感染症により、グループインタビューの実施が困難だった。グループインタビューの同意が得られた施設の多くは地方の訪問看護ステーションであったため、研究者の訪問について同意が得られず、実施に至らなかった。 グループインタビューは8件すでに実施しており、今後、実施可能な施設のリクルートを新ためて行い、データを増やしてゆく必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
2次調査の結果であるグループインタビューは8件すでに実施している。Nvivoでの解析を勧め、身体疾患をあわせもつ精神疾患患者の訪問看護サービスの実態と課題について、明らかにする。Zoomによる遠隔でのグループインタビューが実施できるよう、遠隔会議の対応ができる訪問看護ステーションを探し、研究協力を依頼してゆく。また、個別インタビューの併用についても、検討する予定である。 1次調査の自由記載内容について、患者や訪問看護ステーションの情報と照らして、特徴を見出すことができるか、より詳細に検討してゆく。
|
Causes of Carryover |
2次調査として全国の訪問看護ステーションでグループインタビューを実施する計画だった。しかし、新型コロナウイルス感染症予防の観点から、研究協力を依頼した地方の訪問看護ステーションでグループインタビューを実施することができなかった。旅費およびテープ起こしの研究予算については、21年度実施し使用する予定である。 また、学会参加の研究予算についても、多くの学会がWeb開催に切り替わり、旅費等の使用に変更が生じている。次年度も学会発表を積極的に行うことで使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)