2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a conversational care model to prevent cognitive decline in elderly oral cancer patients undergoing radiotherapy
Project/Area Number |
18K10328
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
大釜 徳政 創価大学, 看護学部, 教授 (50382247)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射線療法 / 高齢期口腔がん患者 / 認知機能低下 / 日内変動 / 意思疎通性 / 会話正確性 / 会話明瞭性 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査者が開発した認知機能低下にともなう行動と日内変動に関する他記式 5 段階評定法によるツールに基づき、ツール得点が低くなる(認知機能低下を示す)傾向は、会話スピードと舌尖音・舌中央音・舌後方音の使用タイミングに関する会話明瞭性(意思疎通性・会話正確性・会話流暢性)と実際のPentax ビジピッチ IV/鼻音化率測定装置 ナゾメータを使用して分析した発語が低下するほど、そして放射線 累積照射線量に応じて口腔粘膜炎/口腔内乾燥の有害事象の症状が増強することと関連性がある。 年齢、性別、職業の有無、同居する家族構成、義歯装着の有無、喫煙歴の有無、教育年数に関する個人特性 7 項目および照射線量/部位との関連については、現段階では十分な因果関係の立証には至らないが、口腔粘膜炎・口腔内乾燥による「うまく発音ができない、相手にうまく伝えられない、人と話すことをあきらめている、会話したくない」という患者の切実な現況を目の当たりにすることが多く、特にこのような現況にある高齢期患者にいたっては、時間・場所の見当識障がいや短期記憶力などの低下が認められること、70歳以上の女性患者に時間・場所の見当識障がいや短期記憶力などの低下が認められる傾向があることが推察される。 口腔粘膜炎による疼痛を増強させる発音時の舌・口腔周囲筋群の動きに対する「視覚・聴覚的弁別訓練」、歪み音を正常音に近づける「漸次接近法」、口腔粘膜炎と口腔内乾燥に対してスクラッピング法による口腔ケア、「会話の途切れ・リズムと抑揚の乱れを軽減する会話スピードと代替語を使用するタイミングの獲得」「構音機能のパワーを切り替える話題・会話相手の選定」の有用性を立証するために、継続的な調査が必要である。
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