2021 Fiscal Year Research-status Report
緊急に人工呼吸器を装着した患者へのコミュニケーション支援に関する国際比較
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18K10335
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
緒方 久美子 福岡大学, 医学部, 教授 (00309981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 禮子 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (90132240)
末次 典恵 宮崎大学, 医学部, 教授 (60363355)
西尾 美登里 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (20761472) [Withdrawn]
佐藤 まゆみ 順天堂大学, 大学院医療看護学研究科, 教授 (10251191)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | クリティカルケア / 人工呼吸器装着患者 / コミュニケーション / 情報ニーズ / 看護師 / 看護管理者 / 外国人患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.クリティカルケア領域に従事する看護師の異文化に関する実態調査 看護系学会にて発表した研究成果を論文にまとめ、看護系学会雑誌に投稿するための準備を進めている。 2.クリティケルケア領域の看護教育の現状と看護管理者の異文化看護に関する認識 国内の救命救急センターの看護管理者290名を対象に自記式質問紙調査を行い、66名から有効回答を得た(回収率30%、有効回答率75/9%)。対象は男性4名、女性62名で、50代が47.0%、看護師長クラスが83.3%であった。外国人患者対応の専門部署有りは15.2%、専門職員有りは16.7%、医療通訳の配置有りは22.7%、通訳ボランティア等を活用有りは31.8%であった。過去1年間のクリティカルケア領域での外国人患者受入れは5人未満が27.3%と最も多かった。現任教育ではすべての施設が感染管理と医療安全を施設内合同の院内教育で実施していた。クリティカルケア領域の部署単独での実施は、呼吸不全・呼吸管理(93.8%)、循環不全・循環管理(92.4%)等であり、看護実践に直結した項目が部署で実施されることが多かった。院外教育は、家族看護(60.6%)、終末期看護(59.1%)が多く、関連学会主催のセミナーが豊富であるためと考えられる。外国人患者への対応は院外教育(25.8%)が多いため、学習については各自に任せられている可能性がある。看護管理者は、外国人患者への看護のために外国語、言語以外のコミュニケーション、外国人に対する日本の医療保障制度の学習の必要性を認識していた。一方、比較的必要性が低く認識されたのは、海外の文化・風習、宗教、海外の医療保障制度に関することであり、現任教育として積極的に実施されていないことも影響していると考えられる。 研究成果を看護系学術集会にて発表予定であり、また論文にまとめて看護系学会誌に投稿するための準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
長期間続くコロナ禍の現状において、国内外を問わずクリティカルケア領域における医療や看護の現場の状況が大きく変化した。感染対策の観点からも当初予定していた計画の変更をせざるを得ず、また日常業務の傍ら調整をしなければならないため多くの時間を要し、進捗状況が遅れた。今後は現状で実施可能な内容となるよう調整し計画を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.人工呼吸器装着患者の情報ニーズに関する看護師の認識に関する質問紙調査:クリティカルケア領域に従事する看護師が認識した人工呼吸器装着患者のニーズについて先行研究で作成した質問紙を基に調査する。患者を対象とした調査も計画していたが、コロナ禍において研究フィールドでの患者の受け入れ状況の変化や様々な制限がある現状を鑑みて実施困難と判断し、看護師を対象とした調査のみを実施する予定である。 2.人工呼吸器装着患者のコミュニケーションに関する文献レビュー:人工呼吸器装着患者の情報ニーズについて海外の患者を対象に調査する予定であったが、長期間に渡るコロナ禍の状況において調整が困難と判断した。国内外の文献を通して人工呼吸器装着患者の情報のニーズも含めたコミュニケーションの特徴を把握し比較する予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究者との会議に係る出張費を使用せずに遠隔会議に切り替えたことや、研究進捗の遅れにより次年度使用額が生じている。今年度はすべての研究計画を遂行するため会議費や研究協力に係る謝金、分析等に使用する予定である。
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