2018 Fiscal Year Research-status Report
質保証と安全性を重視した看護学生の臨床実習前から新人までの看護実践教育の在り方
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18K10338
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
杉山 文乃 (櫻井文乃) 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 講師 (10611238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 智子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 大学校長 (20151615)
柏木 公一 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 (20334378)
長岡 波子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 助教 (20796297)
益田 美津美 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (60384153)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 臨地実習 / 新人看護師 / 看護学生 / 循環器看護 / 臨床看護能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床能力の質保証のため、医師資格のない医学生が臨床実習で行う医行為を定め、臨床実習開始前までに実施する共用試験(CBTとOSCE)を公的な制度とする方針が示された。一方看護学生は、臨床実習開始時に求められる能力が未確定であり、共用試験も実施されていない。加えて、看護学生は医学生と異なり、資格取得後の卒後研修期間がない。特に呼吸器や循環器領域は、医師らと連携した迅速で適切な臨床看護能力が必要である。新人看護職員研修が推奨されているが、卒前の看護基礎教育には、臨床現場で必要とされる臨床実践能力との乖離など、課題がある。そこで本研究は、看護学生と新人看護師の臨床看護能力の乖離と継続学習に焦点を当て、eラーニングとシミュレーションを組み合わせた学習プログラムを開発し、有効性を検証する。 研究の構成は以下の1~4とする。構成1:学習プログラムの評価に有効な要素と方法を創出するために文献検討を行う。また、参加型学習の効果測定に関する研究の動向を把握し、教材に取り入れる。構成2:学習課題抽出として、循環領域に配属された10年目以上の看護師10名を対象に面接調査を行い、新人看護師に求められる重要行動を明確化する。加えて、新人看護師の職場環境調査を行う(Ⅰ群)。構成3:看護場面への応用を意識し、学習プログラムを作成する。構成4:学習者評価の比較検討として、看護学生と新人看護師へ学習プログラムへの参加を募り、満足、臨床看護能力自己評価尺度等について学習プログラム実施前後で評価すると共に、新人看護師の職場環境調査を行い(Ⅱ群)、職場環境を(Ⅰ群)と比較検討する。 昨年度は、構成1に取り組み、国立病院総合医学会、看護科学学会に参加し、学習プログラムの評価に有効な要素と方法を創出するために看護、医学、教育等の分野で文献を検索した。今後は構成2の調査および構成3の学習プログラムの開発を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、今年度に学習プログラムの評価に有効な要素と方法を創出するための文献検討と共に、参加型学習の効果測定に関する国外研究の動向把握を予定していた。今年度は、文献検討と共に、国立病院総合医学会や看護科学学会などに参加・発表するなど国内研究の動向を把握するとともに、国内で、国外の専門家から専門知識を得る機会を得た。そのため、計画以上に進展してはいないが、おおむね、計画通り進められていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の推進方策は、定期的な会議開催による研究者間の情報共有の円滑化である。今後は、本研究の構成2の調査および構成3の学習プログラムの開発を予定しているため、各役割を担う研究者間の緊密な会議を持つことで、調査の推進と、その結果の反映が円滑に進むと考える。定期的な会議推進のために、これまでの対面式会議のみならず、WEB会議や等も活用する。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた状況では、2018年度内に国外学会に参加し、専門知識を収集する予定であった。今年度、国内で開催された学会やWEB会議で予定していた国外の専門家の専門知識を享受することができたが、国外学会でも発表には至らなかった。そこで2019年度は、未使用分と翌年度予定していた助成金と合わせて国外学会に発表するための資金とする。
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