2019 Fiscal Year Research-status Report
他国との比較に基づく日本型の精神障害者就労支援方策の提言
Project/Area Number |
18K10344
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
水野 恵理子 淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (40327979)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 精神障害者就労支援施設 / 企業 / 就労継続支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、精神障害者・精神医療福祉従事者・企業(雇用主)3者の視点から、精神障害者の就労支援に求められることと各々の役割を明らかにし、日本型の精神障害者就労支援の方策を検討することである。 2年目の2019年度は、国内面接調査を行うことを主としていた。本研究計画書については、所属機関の倫理委員会の承認を得て、面接調査に取り掛かった。就労継続支援・移行支援事業所他3ヵ所の精神疾患を有する利用者とスタッフ、企業2ヵ所の精神疾患を有する社員、人事担当者、ジョブサポーターの計17名に面接を行った。現在、逐語記録の内容を分析している。また、2018年度に訪問した欧州諸国の精神障害者支援施設の活動と課題に沿って、各国の精神医療福祉、労務管理、労働状況等を改めて調べ整理している。 精神疾患を有する利用者、施設スタッフ、企業人事担当者との間で、就労継続に関して共通項もあるが、三者間での考え方の違いや差が生じていることが見受けられた。 尚、精神疾患を有する利用者・社員と企業人事担当者の数が、計画していた数より少ないため、新たに一企業へ研究協力を依頼し、承諾待ちである。承諾されれば、4月以降も引き続き、面接を行い、それと並行して分析を進めていく。 次年度は最終年度であるため、分析結果の一部を海外の精神保健看護学会で発表する計画をしているが、新型コロナの影響により渡航できない可能性が高い。状況を注視しつつ、学会参加が難しいようであれば、学術雑誌への投稿を優先し、3か年の研究実施とその成果をまとめ報告書を作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目に計画していた国内面接調査に着手し、分析に取り掛かることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた面接調査の対象者数に達していないため、フィールドを拡大し、研究協力の依頼を行っている。また、日本の精神障害者の就労継続・定着支援と労務管理、企業の障害者雇用に対する考え方についての整理が不十分のため、さらに文献検討を行ないまとめていく。
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Causes of Carryover |
2019年6~7月にアジア諸国の精神障害者支援施設の訪問を予定していたが、当該国の政治的情勢から取りやめることとなり、また2020年3月に海外の精神保健看護に関連した学会にて分析結果の一部を発表する予定であったが、新型コロナ肺炎の影響により渡航を取りやめた。国内外の旅費を使用することができなかったことにより、当該助成金が生じたと考える。 次年度は海外学術誌への投稿の際の論文の英文翻訳・校正費、3か年成果報告書(冊子)の作成に経費を使用する予定である。
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