2020 Fiscal Year Research-status Report
せん妄患者へのモジュール型予防的看護ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
18K10345
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
寺内 英真 富山県立大学, 看護学部, 講師 (60377679)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | せん妄 / 看護ケア / ケアプログラム / モジュール型ケア / 看護介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、せん妄の発症予防および、重症化予防に関するケアプログラムモジュールの開発と導入により、せん妄発症状況の変化を明らかにすることを目的として実施している。 本年度は前年に調査した看護師のせん妄患者への予防ケアおよび、発症時のケアに関する アンケート結果の因子分析を実施した。せん妄の予防ケアに関するアンケート項目46項目の結果から、平均値、標準偏差を算出した。そこから、天井効果のみられた14項目を分析対象から除外し、主因子法で因子分析を行った結果、3因子構造が妥当であろうと考えられた。予防ケアの項目は27項目であり、第1因子17項目、第2因子6項目、第3因子4項目で構成されていた。それら因子の特徴から「看護師による安楽提供」因子、「他職種・専門チームとのコンサルテーション」因子、「現実感覚の補助」因子と命名した。 また、発症時のケアに関しても同様に分析を進め、天井効果のみられた21項目を除外した。分析の結果、発症時のケア項目は20項目あり、第1因子11項目、第2因子5項目、第3因子4項目で構成され、それぞれ「患者の予備機能維持・向上」因子、「他職種・専門チームとのコンサルテーション」因子、「現実感覚の補助」因子と命名した。 看護師が実施している看護ケアに関する調査結果と今回の因子分析によるケア内容の特徴を照らし合わせ、普段看護師の実践しているケア内容を抽出し、分類した。これらより、せん妄の発症と重症化の予効果が期待できる通常看護ケアを選定し、ケアプログラムの原案を作成している。 今後、せん妄ケアプログラム原案の実施による、せん妄発症状況の変化および、看護師の通常ケアへ組み込みの可能性について調査・検討し、モジュール型のせん妄ケアプログラムの作成を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度中は、新型コロナ感染症の蔓延により病院施設でのデータ収集の協力を得ることが大変難しく、ケアプログラムの実施による調査ができていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成しているせん妄ケアプログラム原案について、研究者および研究協力者、臨床看護師による実施可能性についての検討を行った後、外科系病棟で同意の得られた患者に対する介入を実施し、ケアプログラムの検証、問題点の抽出を行いたいと考える。 また、実際に使用した看護師からの使用感、課題などについてのアンケート調査もしくはインタビュー調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、研究活動がほとんど行えていない状況であった。そのため、当初予定していた研究打ち合わせなど出張を伴う会議、データ収集及び学会発表の中止、リモートでの実施により旅費などの支出もほとんどなかった状況である。本年度は、研究打ち合わせや論文執筆および発表に係る経費として使用する予定である。
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