2021 Fiscal Year Research-status Report
せん妄患者へのモジュール型予防的看護ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
18K10345
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
寺内 英真 富山県立大学, 看護学部, 講師 (60377679)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | せん妄 / 看護ケア / ケアプログラム / モジュール型ケア / せん妄発症経過モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、せん妄の発症予防および、重症化予防を目指し、日常の看護業務に組み込めるせん妄ケア・プログラム(案)の開発を目指している。昨年度までのデータ収集・分析として、せん妄発症経過モデル(案)の作成と、看護師のケア状況のアンケート調査を実施している。せん妄発症経過モデル(案)から、せん妄発症には、『認知機能低下』と『身体状態の悪化・不安定』、『せん妄誘発薬剤の使用』などが関わっていることが明らかとなった。その中から、認知機能回復の関わりの重要性のほか、認知機能低下時の負荷を軽減することの必要性が明らかとなった。また、この負荷をかける因子として、『身体拘束』や『基本的ニードの不充足』が挙がっており、これら要因に対する看護師の介入・調整の重要性が示唆された。 看護師の看護ケア状況のアンケート調査からは、挨拶や認知機能維持の介入、身体抑制を避ける関わりなどの実施率が非常に高いことが明らかとなった。さらに、安全や活動促進に向けた介入の実施も抽出されていた。これら、看護師が日々実践しているせん妄予防・発症時の介入内容とせん妄発症経過モデル(案)から、せん妄ケア・プログラム(案)を作成中である。せん妄ケアとして、すでに実践されている看護ケア以外のせん妄予防・発症時介入についてみていった結果、認知機能評価と薬剤選択と使用タイミング、身体状態の維持・改善ケア、早期からの活動促進ケアなどが抽出されており、現在、せん妄ケア・プログラム(案)について、研究者と臨床看護師で内容の検討・修正を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症の蔓延により、病院施設でのデータ収集の協力が得られにくく、データ収集の時期に感染拡大が重なることもあり、データ収集が進められていない状況である。現在も病院施設との再調整中であり、今後、せん妄ケア・プログラム(案)を使用したデータ収集を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
せん妄ケア・プログラム(案)の内容妥当性について、現在確認中であり、問題点や修正点について意見を元に修正を行っている。また、病院施設とのデータ収集に向けた調整を実施しているところであり、これらが終了し次第、データ収集を実施できるよう準備を行っている状況である。 また、データ収集後に、使用状況、使用感などについて、看護師を対象としたアンケート調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度は、今回作成したせん妄ケア・プログラム(案)を使用したデータ収集を、複数の病院施設及び病棟で実施する予定である。また、データ収集で得られた結果について、研究者とそのほか研究協力者との検討、分析及び成果発表、論文執筆を行う予定である。これらを実施するにあたり、対象施設への通信費や謝礼、データ分析における人件費、発表に係る旅費や印刷費などがかかるため、これらを実施するうえでの経費として使用する予定である。
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