2022 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害者の対人関係におけるセルフコントロールを高めるプログラム
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18K10356
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
塩見 理香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (70758987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害者 / 対人関係 / 困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人期に診断を受けた自閉症スペクトラム障害者の対人関係における困難感について分析を行い7カテゴリーが抽出された。 彼らは、他者の言動や表情から意図を読み取ることができないことへの困難感があり、【他者の本心が分からず困惑する】として、他者が自分に対してもつ思いがわからず困惑し、【他者の言動を否定的に捉え今後の関わり方に苦悩する】として、他者の発言の明確な意味が分からず被害的な思考に陥り、苛立ちを感じていた。また、状況に応じようとするものの思い通りに運ぶことができないという困難感として【自己の固有な考え方に捉われることで他者の状況を考えることができず苦悩する】では、他者に合わせようと思うものの、自分の思いを優先してしまいうまく対応できずに思い悩んでいた。【目的のない話を継続することに苦慮する】【気心の知れた関係性に不快さを感じる】として、結論の出ない曖昧な会話を次々と展開していくことに苦悩していること、はっきりしない親しい関係性になることに対して不快さを感じていた。これらのことから、自閉症スペクトラム障害者は、日ごろからの親しい関係性という緩衝材がない難しい状況の中でもなんとかその場に応じた関わりをしようとしているが、自閉症スペクトラム障害者が思う関わり方とかけ離れていることに苦悩していると考えられる。【他者を優先した関わりにより立ち行かなさを感じる】とは、困難感を感じながらも必死で周囲の状況を観察し、努力して相手のペースに合わせようとしている状況であり、他者に配慮しすぎるがゆえに現状から事が進まず、困難感に陥っていると考えられる。【他者とうまく関わっていくための対策に窮する】は、他者と円滑な関わりがしたいと希望がありながらも、自分ではどうすることもできず困難感を抱えていることが見いだされたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当時者・看護師インタビューの分析を再度実施したことで教育プログラムの作成に時間を要している
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Strategy for Future Research Activity |
成人期の自閉症スペクトラム障害者の対人関係のおけるセルフコントロールを高める教育プログラムの作成し、精神看護専門看護師にインタビューを行い、プログラムの妥当性と信頼性を高めていく。
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Causes of Carryover |
次年度は、成人期の自閉症スペクトラム障害者の対人関係のおけるセルフコントロールを高める教育プログラムを作成し、精神看護専門看護などにインタビューを実施する予定である。インタビューはリモートを予定している。そのためのWi-Fiのレンタル料が必要になってくる。また、PCやWi-Fiを精神看護専門看護師に送るための送料やテープ起こし代、教育プログラムの冊子の印刷代として使用したいと考えている。
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Research Products
(1 results)