がん患者のサポートグループ参加の意味づけと生活への影響に関する縦断的研究

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 18K10359
• Research Institution: Bunkyo Gakuin University
• Principal Investigator: 奥原 秀盛 文京学院大学, 保健医療技術学部, 教授 (60288066)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: がん患者支援 / サポートグループ

Outline of Annual Research Achievements

近年、がん患者の5年生存率の延長にともない、地域で生活するがん患者は増加しており、彼らに対する支援の重要性が叫ばれている。その支援方法のひとつとして、がん患者同士が集い・語り合うサポート・グループ(以下、SGとする)がおこなわれ、SG参加による心理面の改善やQOL向上等の効果が明らかになっている。しかしながら、その効果の核と考えられる参加者にとってのSGの意味づけや患者同士の交流が参加後の彼らの生活にどのような影響を与えているか、長期的視点で明らかにした研究は見あたらない。したがって、本研究の目的は、SG参加3ヶ月後、半年後、1年後、2年後、3年後のSG参加の意味づけと生活への影響のプロセスを明らかにすることである。がんサバイバーが増加する現代において、彼らを支援する新たな長期的支援システム構築につながる大変有意義な研究であると考える。
平成30年度は、研究実施に向け、以下の準備をおこなった。1）研究協力者との研究会を開催し、研究目的・方法論に関する共通認識を図ると共に、現実的な実施方法について検討した。2）国内においてSGを運営しているがん患者支援団体、がん患者会に関する資料収集、文献検討をおこない、その実態について把握した。3）近隣のがん患者団体に研究協力の可能性について打診すると共に、協力の際の配慮点等について検討した。4）上記を踏まえ、本研究者が所属する大学の倫理委員会への申請準備を進めている。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成30年度内の倫理委員会への申請、承認を目指していたが、年度内の申請が間に合わなかった。早急（5月中）に申請をおこなうべく準備を進めているところである。

Strategy for Future Research Activity

複数のがん患者支援団体・がん患者会との事前打合せはスムーズに進んでおり、早急に倫理申請を行う予定である。研究実施においては、研究参加者の募集・確保が重要であることから、今後もがん患者支援団体、がん患者会との綿密な打ち合わせをおこない、研究参加者の協力確保に努める必要がある。

Causes of Carryover

今年度は研究計画の洗練と倫理申請を中心に研究活動をおこなったため、物品購入と学会参加の旅費予算の支出が予定よりも少なかった。次年度は、本研究インタビューデータの保存専用のパソコンの購入、インタビュー時の旅費や謝金、学会参加旅費、インタビューデータの逐語録作成謝金等に使用する予定である。