2018 Fiscal Year Research-status Report
介護老人保健施設看護管理者を対象とした日本版バリューズヒストリーの開発
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18K10362
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
高橋 方子 千葉科学大学, 看護学部, 教授 (80305341)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | バリューズヒストリー / 介護老人保健施設 / 看護管理者 / 入所者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、わが国の事情に即したバリューズヒストリーを開発することを目的とした。2018年度は介護老人保健施設看護管理者を対象とし、日本版バリューズヒストリーを構成する項目(国内における先行研究およびLambertらが示したValues Historyから抽出した57項目)に対する必須度の評価等を調査した。調査はデルファイ法によるもので、3回の調査のうち2回目まで終了した。 1回目、2回目共に80%以上の人が日本版VHの構成項目として「必須である」と回答した項目は、57項目中19項目あり、終末期医療の意思決定や代理判断に関する項目が多く含まれていた。具体的には、「安心できる環境」、「自分の意思決定の方法」、「自分が望む生活」、「死に対する考え方、」、「末期疾患になった場合の延命処置に対する希望」、「意識の回復が困難になった場合の延命処置に対する希望」、「重篤な認知症になった場合の延命処置に対する希望」、「臨終場所の希望」、「臨終の際の家族の同席に対する希望」などであった。また1回目調査では「必須であると」回答した人が80%未満であったが、2回目の調査で80%以上の人が「必須である」と回答した項目は「人生に対する姿勢」、「生きる事に対する幸福感」、「共に過ごしたい人」、「日常生活動作で困難なこと」など17項目あり、生き方に関する項目複数含まれていた。 ※バリューズヒストリーとは終末期医療の意思決定をする際の根拠となる価値観歴である。 ※デルファイ法とは質問と回答を数回繰り返す方法であり、その都度集計結果をフィードバックして再考してもらうことで意見の集約を図る方法である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は老人保健施設看護管理者を対象としたデルファイ法による質問紙調査であり、調査を3回実施する予定である。2018年度は2回目までの調査結果の集計と3回目調査の準備を行い、2019年4月現在、3回目調査の質問紙調査の回収中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度以降は、介護老人保健施設の入所者を対象として日本版VHについての質問紙調査を実施する予定だった。しかし、質問紙調査に協力できる入所者を得ることが困難なため、対象者をがん看護専門看護師、緩和ケア認定看護師に変更して調査を行う予定である。調査方法は2018年度に実施した老人保健施設看護管理者を対象とした調査と同様にデルファイ法で行う予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度は、デルファイ法による3回の質問紙調査を実施する予定であった。しかし、3回目の調査が4月の実施となったため、3回目の調査分の費用が2019年度に持ち越された。2019年度は3回目の調査と2019年度分の調査を実施する。
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