2020 Fiscal Year Research-status Report
進行性神経難病者のエンドオブライフを見据えた支援システムに関する研究
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18K10364
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
長瀬 雅子 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (90338765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
漆戸 由紀子 順天堂大学, 医療看護学研究科, 助教 (60858504)
瀬尾 昌枝 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (70613272)
村岡 宏子 順天堂大学, 医療看護学研究科, 教授 (60258978) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経難病 / 治療選択 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、運動ニューロン疾患患者を対象にしたインタビュー調査を継続する予定だったが、新型コロナウィルス感染症流行に伴い、実施できなかった。このため、前年度までのデータを使い、相互行為論から意思決定支援の様相を考察した。 研究対象者は、「症状の緩和」と「自然な生」に依る治療の選択をし、それは周囲の人々の支援があるかないかにかかわらなかった。治療の選択は、死の可能性を秘めており、潜在的な恐れを抱いていることが明らかだった。彼らは、自らの価値観で意思決定しているというよりは、医療者を含む周囲の価値観が治療選択の決定に大きく影響されていると考えていた。 この調査結果を、神経難病者の意思決定支援から見えた医療者による「本人の意思を特定する」という行為という視点で考察すると、「意思の尊重」という文脈と、いわゆる「本当の意思」の存在が前提条件にあることが分かった。この「本当の意思」がいかに条件づけられるかを議論しないまま、患者の「本当の意思」を「確認」しようと試みるが、意思決定者は明らかに周囲との関係性の中で意思を表明している。 こうした考察から、さらにデータを積み重ねて、エンドオブライフを見据えた意思決定支援のありようを検討し、ガイドラインや意思決定支援の評価指標を作成し、その有用性を検討することが今後の課題であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症流行に伴い、研究活動に専念できなかった。また、感染リスクの高い対象者であるため、データ収集を継続することもできない状況だった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査方法を対面からオンラインに変更し、さらにデータ収集を試みる。しかし、調査対象者は会話によるコミュニケーションが困難であると考えられるため、コミュニケーション手段がメールや音声合成装置が使用できる者に限定される。
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Causes of Carryover |
調査が計画に沿って実施できなかったこと、またCOVID-19の影響で国際学会等がオンライン形式になったため、旅費の支出がなかったことなどが理由である。
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Research Products
(1 results)