2020 Fiscal Year Research-status Report
がん看護に関わる認定看護師の専門的実践能力とキャリア成熟推進への支援モデルの構築
Project/Area Number |
18K10367
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Research Institution | University of Tokyo Health Sciences |
Principal Investigator |
直成 洋子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (70341998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 明香 茨城キリスト教大学, 看護学部, 講師 (20734809)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん看護 / 認定看護師 / 専門的実践能力 / 指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、がん看護に関わる認定看護師(以下CNと略す)の専門的実践能力やキャリア成熟推進に向けて支援モデルを構築することである。今年度は、支援モデルの構築に向けて、以下を実施し成果を得た。 がん看護認定看護師の専門的実践能力において、3つの役割のなかでも『指導』における役割について明らかにすることを目的とした。対象(432名)に、無記名による調査を行い自由記述により回答を求め、378名により回答が得られた(有効回答率85.7%)。CNの活動年数は、5.5年(SD3.16)であった。質的に分析した結果、33サブカテゴリー、12カテゴリーが抽出された。がん看護に関わるCNは、【傾聴・承認・尊重の姿勢を示す】ことを前提として、【相手の背景やニーズを把握すること】および【相手の視点で考え反応をキャッチする】などの介入を行い、【関わり後の評価やフォローアップを行う】ことや【組織のなかでのCNとしての姿勢や立場をわきまえ自己研鑽する】ことを基盤としていた。そして、【実践につながる目的・目標・内容・方法を明確にする】ことや【相手のレディネスを把握しモチベーションを高める】ことに努め、【エビデンスに基づき患者・家族を中心に関心を寄せる】・【課題に向けて本質を見極めて看護の視点で自己解決できるように導く】・【獲得した新しい知識・技術を伝えてモデルを示し理解を促す】ことができるような教育的な関わりを行なっていた。さらに、【研修会や学習会によりスタッフ全体の質の向上を目指す】ことや【多職種と連携して看護の質の向上に努める】ことが明らかになった。 がん看護におけるCNの『指導』に関する役割では、≪CN自身の姿勢≫を基盤として、≪ CNとしての教育的な関わり≫や≪スタッフ全体や多職種とのコラボレーション≫についての3つの側面の重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大の影響により、研修会や調査ついては中断している。また、研究代表者も分担者もCOVID-19に伴う教育活動の変更や学生の対応に時間を要しているため、オンラインによる打ち合わせのみの状況であった。これらの事情により、これまで全国調査を行なった結果を質的に分析し、関連学会に公表した。がん看護に関わる認定看護師の専門的実践能力の解明については徐々に明らかになった。しかし、次の段階である認定看護師の支援モデルの構築に向けての調査に移行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、COVID-19の感染拡大の影響により、認定看護師の置かれている状況が異なっている。がん看護に関わる認定看護師の専門的実践能力およびキャリア成熟推進に向けての支援に関する示唆を得ていく方向性で、研修会前後の調査を予定していたが、今般の状況を鑑みて検討が必要である。
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Causes of Carryover |
昨年度は、COVID-19の感染拡大の影響により、研修会や研修会前後の調査を実施できなかった。そのため、研修会の企画・運営を行う研究協力者の打ち合わせのための旅費や謝礼および研究参加者への調査のための謝金を計上する。また、COVID-19の感染拡大の影響により、昨年度の学会はすべてWeb開催であった。そのため、次年度以降は旅費を計上する。研究成果については国内外での公表とともに、論文投稿に必要となる英文校閲のための費用を研究費から支出していく。
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