2018 Fiscal Year Research-status Report
暮らしの中でできる一般市民向け末期がん患者支援に関する教材・啓発プログラムの提案
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18K10370
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
竹下 裕子 (吉田裕子) 摂南大学, 看護学部, 准教授 (10437668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 結華 摂南大学, 看護学部, 教授 (80236645)
稲垣 美紀 摂南大学, 看護学部, 准教授 (60326288)
橋弥 あかね 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00457996)
竹下 篤 大阪医科大学, 医学部, 講師 (30298765)
佐藤 禮子 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (90132240)
稲垣 範子 摂南大学, 看護学部, 助教 (90782714)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | がん看護 / ターミナルケア / 社会的ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
終末期がん患者の社会的ネットワークに関する国内文献検討を行い,終末期がん患者と主介護者・家族との関係性が主介護者・家族に及ぼす影響,および看護師との関係性が支援提供者の看護師に及ぼす影響について明らかにした。《方法》文献の選定:医学中央雑誌Web版にて2018年7月文献検索実施。統制語「末期患者」「癌看護」「社会的ネットワーク形成」などをキーワードとし,検索期間2006~2018年で全165件検索。終末期がん患者の社会的ネットワークに関わる事象を含むことを選定基準として95件のフルテキスト精読後,最終的に30文献選定。このうち,主介護者(親子,兄弟,夫婦)・家族(親類,友人を少数含む)を対象に調査された19文献,看護師を対象に調査された12文献を分析。分析は質的帰納的分析を実施。《結果》終末期がん患者との関係性が主介護者・家族に及ぼす影響は,介護主体者としての役割と責任を全うしようと患者の介護を最優先に尽くすが,介護負担に限界を感じ,負担分散や限界域拡大に向けて医療的・社会的支援を模索する状況が示された。親類・近隣・友人との関係性に着目した調査は少数であり,終末期がん患者の社会的ネットワーク内で支え手としての活用を高めるために調査の実施が今後の課題である。一方,看護師に及ぼす影響は,患者の意思や全体像把握に限界が生じ,関わりに慎重さと覚悟が必要で親しみにくく,死生に関わる会話や自らの感情表現に自信がもてない中で,チーム力を発揮しケアを充実させようとする状況が示された。終末期がん患者の社会的ネットワーク内において看護師は重要箇所に位置すると考えるが,看護師への現場教育やネットワーク内にある他の有用な医療職または支え手になり得る人の活用を高める余地についての検討が今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の順序性を若干変更している。広く国内文献検討の実施を行い、学会発表を行えたため、質問項目の作成に進むことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はこの文献検討結果に基づき、質問項目の検討と作成、大規模インターネット調査に進ませる。インターネット調査の準備は現在進行中であり、300サンプル程度で計画中である。研究計画の順序性は若干変更している。
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Causes of Carryover |
インターネット大規模調査の実施に先行して、調査項目の作成のために文献検討を実施したため、調査にかかる費用を今年度は使用しなかった。翌年度に使用する計画である。
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