2018 Fiscal Year Research-status Report
クリニック通院中のメンタルヘルス不調者へのセルフマネジマントプログラムの開発
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18K10371
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Research Institution | Shijonawate Gakuen University |
Principal Investigator |
谷口 清弥 四條畷学園大学, 看護学部, 教授 (40508660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 育子 園田学園女子大学, 人間健康学部, 准教授 (60794279)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | メンタルヘルス不調 / セルフマネジメント / うつ / 心理教育 / イメージ法 / グループカウンセリング |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病・不安障害などのメンタルヘルス不調者の症状コントロールのみならず,再発予防,生活の質を高める「セルフマネジメント支援プログラム」を開発するため,2015-2017年プログラムを作成し,22名に介入を実施した。本プログラムは,SATイメージ療法(宗像,2006.)を用いて肯定的な自己イメージの再構築を図ることで自己否定や無力といった認知を変容し,心理教育による学習とグループのエンパワメントによりセルフマネジメント力を高め,行動変容へと導くことを意図して構成した。その結果,抑うつと自己効力感の改善など一定の効果が認められたた。介入の評価から課題となった①肯定的な自己イメージのイメージ定着までのフォローアップ ②中長期的な効果の確認 ③ エビデンスに耐えうるデータの蓄積、のためにプログラムおよび介入方法を精錬・修正し,メンタルヘルス不調者のセルフマネジメント力を高めるプログラムを開発することを目的としている。平成26年から29年までの介入の結果、量的調査から抑うつ気分と自己効力認知、自己抑制型行動特性の改善が確認された。質的調査からは、ネガティブ感情が減少し、症状の緩和とセ不不マネジメント行動を生活に取り入れているなどの変化があった。 今年度は、この結果とプログラムの評価から、プログラムの内容は変更することなく、新たなエビデンスに基づく内容への差し替えを中心にワークショップ用テキストを改定した。さらに、対象患者が多く受診するクリニックを研究協力施設として開拓した。倫理審査委員会の承認を受け、協力施設・共同研究者・研究協力者との打ち合わせを重ねて介入の準備を進めた。 そのうえで、11月~12月Aクリニックにて1回、3月Bクリニックにて1回、ワークショップを開催し、計10名の研究協力が得られた。現在は、1ヵ月後、3ヵ月後までの追跡調査の段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の計画は、介入の準備を整えることであった。 順調に計画を進めることが出来た。具体的には、これまで実施した「セルフマネジメント支援プログラム」の介入評価に基づきプログラムの精錬・修正を行い、テキストを改定した。倫理審査委員会の承認を受け、協力機関・研究協力者への協力依頼、打ち合わせを行い介入の準備を進めた。 11月から3月に2箇所の研究協力クリニックにてそれぞ1回づつワークショップを開催することができた。現在は、1ヵ月後、3ヵ月後までの追跡調査の段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も、引き続きAクリニック、Bクリニックにおいてワークショップを開催し、データーを蓄積する。ただし、対象者が集まるためには、開催間隔を5~6ヶ月程度は空ける必要があるため、今年度4~5回程度の開催を目標とする。 さらに、ここまでのデータを分析し、第1報として学会発表を行なう。
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Causes of Carryover |
当初予定していたビデオカメラ等の備品購入の必要がなくなったため、予算に余裕ができた。次年度、本格的な介入を進めていく中で、研究協力者への謝金、介入補助者への謝金などが当初の予算を上回る可能性があるため、有効に使用していく。
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