2021 Fiscal Year Research-status Report
精神科病院における隔離拘束削減の取り組みに関する組織指導者の認識についての研究
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18K10375
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
新村 順子 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 主任研究員 (90360700)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | trauma informed care / coercive practice / community / human service worker |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、精神科領域との比較検討の意味で、対象を地域の対人援助職に移行し、精神障害をもつ当事者やその家族への強制的な支援に関わる自治体の地域対人援助職、及び組織指導者を対象に、トラウマインフォームドケアの研修とアンケート調査の実施を試みた。 具体的には、2021年9月9日と9月16日に、オンラインにてトラウマインフォームドケアの研修を実施し、その前後、および研修終了後6か月時点で、研修受講者に対してアンケート調査を実施した。研修対象者は東京都内の4自治体の職員で、回答者は31名、うち女性24名、職種の内訳は、保健師が6名、ケースワーカーが11名、心理士が10名、事務職等その他が4名であった。職位の内訳のうち、管理職は10名であった。トラウマインフォームドケアの研修効果については、初年度に用いた既存尺度を用いて測定した。研修前後での尺度得点については、解析の結果有意差が得られた(P<0.001)。現在、研修終了後6か月時点の結果も併せて解析中である。また、今年度においても、コロナ感染症の影響が継続しており、調査対象者が31名と少なかったため、2022年度も同じ自治体を対象に、同様の研修と調査を企画・実施予定である。 また、研究者・当事者の研究コアチームミ―ティングも併行して実施した。今年度は、各ミーティングメンバーの活動領域において、それぞれが直面しているコ・プロダクションを推進していく上での状況や課題について共有・ディスカッションを行った。本調査や研修の実施方法についても示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染症のため研究の実施の進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
地域対人援助職を対象に、今年度と同様の研修と調査を実施し、結果について解析する予定である。精神科領域で実施した結果との比較や、職位での違いなどの有無を検討し、論文化の準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
アンケート調査が全て完了していない、また、調査結果の国際誌への投稿準備のために、「その他」で未使用が発生している。次年度調査の完了と国際誌への投稿に向けて準備を進める予定である。
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Remarks |
東京都医学総合研究所 社会健康医学研究センター 心の健康ユニット https://mentalhealth-unit.jp/
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