2021 Fiscal Year Research-status Report
オーラルケアチップによる妊娠期の歯周病菌スクリーニングの意義
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18K10376
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
成田 好美 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (80455881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 英也 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (30195747)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Salivary microbiota / Periodontitis / Pregnant women / 16S rRNA gene sequencing / Taxonomic composition |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、妊婦の歯周炎に関連する唾液中の微生物叢組成を特定することを目的に実施した。最終的な対象は妊娠24~28週の健康な妊婦53名であった。対象から唾液サンプルを収集し、歯周状態を歯科衛生士より評価してもらった。唾液サンプルは,16S rRNA遺伝子のV3-V4領域を唾液DNAから増幅し配列決定した。門、属、および種レベルの分類学的組成を、歯周炎のある妊婦とない妊婦の間で比較した。 歯周炎のある妊婦はn = 12名,歯周炎のない妊婦はn = 41名であった。歯周炎妊婦は、就業妊婦が有意に多く, 平均および最大歯周ポケット深度が有意に高かった。 属レベルのPCAバイプロット作成から,歯周炎妊婦を識別することができた。歯周炎妊婦の特徴的な唾液分類学的組成は,Neisseriaの存在量が減少しており,Treponema,Tannerella ,Filifactor ,Anaeroglobus,Bulleidia,Slackiaの存在量の増加している状態であることが推察された。前述の結果から妊娠中の歯周炎のリスク評価の式を以下のように提案できた。予測値=(%Treponema +%Tannerella +%Filifactor +%Anaeroglobus)/%Neisseria。この式を使用して,歯周炎妊婦と歯周炎ない妊婦を比較した結果, 0.215をカットオフ値し,歯周炎妊婦を予測すると、感度と特異度はそれぞれ0.67(8/12)と0.95(39/41)となり,本研究における歯周炎妊婦の60%以上を特定できた。 属レベルのバイプロットと比較し,門レベルおよび種レベルのバイプロットでは効率的に歯周炎妊婦を識別することはできなかった。 歯周炎妊婦における特定の唾液微生物叢の分類学的組成は、属レベルで明確に特定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
データ分析が終了し,論文としてまとめ,国際雑誌に投稿することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を学会等で発表する。
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Causes of Carryover |
当初の計画より研究が順調にすすんだこと,covid-19の感染拡大により学会等がオンライン開催となり,旅費・宿泊費の支出が生じなかったことが大きい。 次年度の使用計画として,論文投稿料,学会発表として使用する。今回の研究をさらに発展させた研究計画を作成するためのパイロットスタディの費用として考えている。
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