2020 Fiscal Year Research-status Report
The relationship between dietary behavior of mothers and umami substances in milk-focusing on colostrum and mature milk-
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18K10383
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
中井 抄子 (和多田抄子) 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (60763266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立岡 弓子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70305499)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 母乳 / グルタミン酸 / うま味 / 食事 / 活動量 / 個体因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、①~④の視点から検証を行った。①妊娠後期から産後1ヶ月にかけての縦断的な分析、②妊娠後期の母親の食行動と初乳中のグルタミン酸濃度の関連、③産後1ヶ月間の食行動と成乳中のグルタミン酸濃度の関連について検証した。 妊娠後期に得た食行動のデータと初乳中のグルタミン酸濃度を測定した時期と、産後1ヶ月間の食行動のデータと成乳中のグルタミン酸濃度を測定するのとでは、前者は実際の食行動と採乳の時期によりタイムラグがあることを考慮し、縦断的な分析に限らず、それぞれの時期別でも分析を行った。上記の①~③の分析結果として、正の相関を認める食品にグルタミン酸含量が多いと予測したが、血漿においては正の相関と認めた食品よりもグルタミン酸を多く含む食品の方が食材の方が有意な負の相関関係を認め、乳汁においてはグルタミン酸の含量の少ない食品が正の相関、グルタミン酸を比較的多く含む食品で負の相関を認めるという結果であった。これより、グルタミン酸含量が多い食品の摂取が乳汁・血漿中グルタミン酸濃度に反映するという一貫した結果は得られなかった。 よって、“母親の食事が乳汁中Gluに影響を与えた”とは断言できず、Glu代謝は様々な因子の影響を受けるため、代謝機構やその他の個体因子が影響している可能性があると考察した。 先行文献を参考に、④母親の食事以外の副項目として得られた個体因子(母子の基本情報や活動量、搾乳までの時間等)に着目し、DHQLの申告誤差±30%で除外された対象も含め、再度個体因子と乳汁中グルタミン酸濃度との関連を検証した。 乳汁中グルタミン酸濃度と相関を認めたものは、初乳においては分娩後から搾乳までの時間、成乳においては妊娠回数と産後1ヶ月の活動レベルであった。一方、血漿中グルタミン酸濃度と相関を認めたものは、母親の体重と分娩時の週数であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
論文作成・投稿を行う予定であったが、研究者の諸事情・コロナの渦中にある影響により、研究に取り組む時間を十分に確保できなかったことから、進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は本研究課題の論文作成・投稿を行う。 今後は、習慣的な食行動ではなく、普段の食事にグルタミン酸を添加した食事を摂取した後に乳汁中のグルタミン酸濃度へどのように反映するかという視点に加え、個体因子(母子の基本情報や活動量等)との関連について、研究課題【21K10821】”母親のグルタミン酸経口摂取が乳汁中のグルタミン酸濃度に与える影響”にて検証する。 母乳中のグルタミン酸濃度が高まることで、児がその恩恵を母乳を介して得られるための助産ケア考案のための指針を得ることを目的に今後も取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
研究代表者の介護・妊娠・出産により、論文作成・投稿が出来ず、研究期間を1年延長したため。次年度使用額は、論文投稿費や論文校正費として使用する。
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Research Products
(1 results)