2019 Fiscal Year Research-status Report
小児病院におけるファシリティドッグ導入促進のためにー細菌学的視点からみた安全性ー
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18K10389
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
境原 三津夫 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (30332464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
エルダトン サイモン 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30512066)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ファシリティドッグ / メタゲノム解析 / 皮膚細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
犬の皮膚細菌叢に関する研究は、検体採取の方法やメタゲノム解析結果の解釈に関して、研究報告が少なくコンセンサスが得られていない状況である。当該年度は検体採取部位や採取方法、また犬の皮膚細菌叢の衛生学的解釈について日本盲導犬協会の協力のもとで、研究計画に関して検討を重ねた。 犬の皮膚の細菌に関する先行研究は、犬種を統一せずに実施した検討では、有毛皮膚は粘膜に比べ細菌種の多様性が高いこと、細菌種の多様性は個々の個体間及び検体採取部位間において、高度な相違を認めたことなどが報告されている。犬種をゴールデン・レトリバーとラブラドール・レトリバーの交雑種に統一した検討では、個々の犬における皮膚細菌叢の構成に影響を与えているのは、個体自体の要因が強いこと、腹部、背部、腋窩において性別による差異が認められたことなどが報告されている。 これらの研究において、その検体の採取方法は同一ではなく、細菌叢の解析結果も共通している部分と異なる部分が認められる。 このように現在、健康な犬の皮膚細菌叢に関しては、研究成果が積み重ねられている段階である。犬種の違いによると推測される結果も認められることから、犬の皮膚細菌叢に関する学術的コンセンサスを得るためには犬種を統一した研究成果を積み重ねていく必要がある。そこで、ファシリティドッグの衛生面を評価するための前段階としてラブラドール・レトリバーを遺伝的に管理し、盲導犬として教育している日本盲導犬協会の協力を得て、犬の皮膚細菌叢の形成過程について検討を行い、衛生面の評価に関する知見を得るための研究が必要であると判断した。その上で、実際に病院で活躍する犬に関して皮膚細菌叢を調査し、どのような違いがあるかを検討する計画として研究を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ファシリティドッグの衛生面を評価するため、前段階としてラブラドール・レトリバーを遺伝的に管理し、盲導犬として教育している日本盲導犬協会の協力を得て、犬の皮膚細菌叢の形成過程について検討を行うことで研究計画を進めていたところであるが、新型コロナの感染拡大の影響で、検体の採取に出向くことを控えざるを得なかった。その後、緊急事態宣言が出されるに至ったため、移動の制限が解除されるのを待って再開の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、健康な犬の皮膚細菌叢に関しては、研究成果が積み重ねられている段階であることから、犬の皮膚細菌叢に関する学術的コンセンサスを得るためには犬種を統一した研究成果を積み重ねていく必要がある。ファシリティドッグの衛生面を評価するための前段階としてラブラドール・レトリバーを遺伝的に管理し、盲導犬として教育している日本盲導犬協会の協力を得て、犬の皮膚細菌叢の形成過程について検討を行う予定である。日本盲導犬協会では犬を遺伝的に管理し、また同一の環境で飼育していることから、その皮膚細菌叢の形成過程を追うことにより、ファシリティドッグとして活躍する犬の皮膚細菌叢が影響される要因について検討する。その上で、実際に病院で活躍するファシリティドッグに関して皮膚細菌叢を調査し、ファシリティドッグ独自の変化を認めるか否かを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
ファシリティドッグの衛生面を評価するため、前段階としてラブラドール・レトリバーを遺伝的に管理し、盲導犬として教育している日本盲導犬協会の協力を得て、犬の皮膚細菌叢の形成過程について検討を行うことで研究計画を進めていたところであるが、新型コロナの感染拡大の影響で、検体の採取に出向くことを控えざるを得なかった。このため、犬からの検体採取ができず、本研究の研究費の大半を占めるメタゲノム解析費用が次年度に持ち越されることになった。緊急事態宣言が解除され、移動の制限が緩和されるのを待って再開の予定である。
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