2022 Fiscal Year Research-status Report
学校救急処置における論理的思考力の「見える化」を目指した臨床推論研修プログラム
Project/Area Number |
18K10397
|
Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
丹 佳子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70326445)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 養護教諭 / 保健室 / 緊急度・重症度判断 / 臨床推論 / 論理的思考力 / 研修プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、養護教諭の「論理的思考力の不足」と「振り返りが難しい環境」に着目し、養護教諭の緊急度・重症度判断を導く思考プロセスの問題を解決するための新たな養護教諭を対象とした研修プログラムを開発することを目的としている。2022年度は、2021年度に行った現職養護教諭を対象にした「仮説演繹法による臨床推論」の研修プログラムの評価と課題を明らかにした。 本研修プログラムは,事前課題と90分のオンライン講義の2つからなる.事前課題はオンライン講義内の「臨床推論タイプ分析」で用いた.研修受講生18名に対して行った研修前調査,研修後調査,3ヶ月後調査の結果を用いて研修プログラムのアウトカム評価とプロセス評価を行った. その結果,アウトカム評価では,「緊急度・重症度判断の目的をふまえて情報収集することの重要性が理解できる」「自己の思考プログラムの特徴や課題が明らかにできる」等の研修目標を達成することができた。プロセス評価においては,研修の難易度・活用可能性,受講生の理解度・満足度も良好であった.さらに,研修で使用した教材のわかりやすさ,オンライン講義で用いた教育方法についても肯定的な意見があげられた.これらのことから,本研修プログラムは養護教諭の学校救急処置の緊急度・重症度判断を導く思考プロセスの問題解決の方策の一つとして使用できる可能性があることが明らかになった. 本研修プログラムの課題としては,事前課題の提示時期・方法,スライド資料等があげられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、当初予定していたVR動画撮影や集合研修ができなくなった。予定を変更し、感染症流行中でも作成・実施できる新たな遠隔研修プログラムを作成し、実施、評価を行っているため時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
①研修プログラムの評価と課題について学会で発表するとともに論文を投稿する。 ②明らかになった課題をふまえて研修プログラムの修正を行い、再度養護教諭を対象に研修を実施する。
|
Causes of Carryover |
当初の予定では、2022年度中に、研修プログラムの評価と課題に関する論文を作成し投稿する予定であったが、データ分析が遅れたために投稿ができなかった。今後、学会発表や論文発表のために助成金を使用する他、評価をふまえて改善した教育プログラムを行うため、ノートパソコン等の機器を購入する予定である。
|