2019 Fiscal Year Research-status Report
保育所看護職の小児がんの子どもとその家族への支援内容とあり方
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18K10400
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
糸井 志津乃 目白大学, 看護学部, 教授 (00248973)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児がん / 保育所 / 看護職 / 支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、保育所看護職が小児がんをもつ子どもやその家族への支援内容とあり方を調査するものである。小児がん罹患経験のある子どもが保育所で集団生活をする場合、施設内での感染予防対策や各疾患による環境調整の必要性がある。また、保育所へ通園している子どものきょうだいで小児がんを罹患している場合、身近な保育所へ、保護者が相談することがある。疾患に関する保育所内調整は、看護職が行っているため、2017年~2018年に行った保育所看護職が行っている小児がんの子どもへの支援内容の研究結果では、①子どもの病状・治療、成長発達状況の把握と対策②保育上での対応に関する職員間調整③子どもの日々の健康状態把握と対応④医師への連絡・相談⑤保護者への気遣いと医療面の相談対応⑥職員の健康面への配慮 という結果が得られた。これらの結果は、10名の面接結果であったため、2019年度は、上記結果に基づき、調査表の作成および全国的な実態調査を予定していた。 しかし、調査内容を検討していく段階で、支援実態内容の範囲を狭めることが難しく、再検討を重ねていた。そして、設置主体別および看護職の種別(保健師、看護師)を踏まえ、看護職の認識を得るための調査へ変更することとした。 木浪ら(2010)における小児がんに罹患した子どもの母親の心理状態の文献研究では、母親のストレスや心理的な苦痛が、子どもの心理的状況に悪影響を及ぼす可能性があり、支援の必要性を述べている。看護職が母親のニーズをどの程度認識して対応をしているのか、といった方向性に焦点を当て、研究計画内容を変更、調査書の修正を行っている。あわせて、2017年~2018年度の結果を論文投稿に向け準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
具体的なアンケートの内容の検討および対象施設を選択にあたり、保育所の設置主体および保育士・看護職の具体的な業務内容を把握する必要があり、時間がかかった。 また、当初の予定では、実態の支援における実際の業務内容調査も予定し研究計画書を作成していたが、準備を進めていく段階で、調査内容が、実態と伴わない状況が発生した。そのため、計画の練り直しの必要性があったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、2019年度に予定していた調査表を完成し6月の研究倫理審査へ提出。実施においては、現在の新型コロナ感染症の状況から、Web調査の可能性についても検討し、調査実施にもっていく。併せて、2017・2018年に実施したインタビュー調査について、論文投稿の準備を継続する。 2020年度が完成予定であったが、1年間の延期を踏まえて実施予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度に予定していた調査が行えなかったため、調査にかかる調査表作成費関係、協力依頼を行うための旅費、パソコン関係の老朽化にともなう費用として使用予定である。
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