2022 Fiscal Year Research-status Report
染色体疾患児へのDiversity support programの作成と評価
Project/Area Number |
18K10420
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中込 さと子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (10254484)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 浩子 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (00794380)
北村 千章 清泉女学院大学, 看護学部, 准教授 (20643795)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ダウン症候群 / 染色体疾患 / NCAFS / NCAST |
Outline of Annual Research Achievements |
乳児期のダウン症児と母親の母子相互作用と育児縦断的観察を行った。縦断的観察は、VTRを用い、食事を与える場面を、生後4か月から立位が取れる約2歳までの間、数カ月ごとに追跡をするものであり、全10組の母子の観察を終了した。ビデオ観察データはNursing Child Assessment Satellite TrainingのNCAFSからのコーディングを抽出した。NCAFSは、母子の相互作用を観察するために6つの概念(随伴性、姿勢と位置、言語性、感受性、情動、親和と嫌悪)を尺度に組み込んでいる。この6つの概念に由来する6つのサブスケール(母親の行動4つ、児の行動4つ)の全76項目を観察した。本データから、61セットの場面が得られ、Reliability研究レベル有資格者に研究の信頼性の保証のための分析を依頼した。 母の4行動(<児のcueに対する感受性>、<不快な状態の緩和>、<社会情緒的発達の促進>、<認知的発達の促進>)、児の2行動(<cueの明瞭性:乳児が母親に明瞭なcueを送る能力>、<母への反応性:母とのコミュニケーションや相互作用の試みに反応する能力>)。NCAFSでは児の未熟性や特性によって影響されるが、今回、ダウン症児に特徴的なcueの出現が観察できた。さらに母親が児の特性に合わせて対応できているかの「随伴性」を測定し、母親が児の個性を理解し、養育時に対応できているのかを観察できた。次年度は、上記の①母子相互作用(NCAFS得点、随伴性項目、CUEの種類)と、②デモグラフィックデータ(母親の情報等、児の診断を受けた状況、親の会のつながり、話し相手、子連れ外出の有無)(児の情報)、家族の情報、③児の成長発達、④愛着―養育バランス尺度、自尊感情尺度、EPDS、CES-D、PTGI-SF-Jとの関連を分析する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
10組の母子の観察データ(NCAFS)のコーディングに時間がかかった。しかし、NCAFSと、母子の栄養と睡眠、母乳など、児の発達等との関連性を分析のための全てのデータが整った。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度に収集できたデータを統計手法、質的手法を用いて分析し、論文を完成し、投稿する。
|
Causes of Carryover |
母子の観察期間が延長したこと(赤ちゃん体操の発達が緩徐であった)、コーディングが終了したのが3月であったこと。
|