2019 Fiscal Year Research-status Report
子ども期の災害経験後の心的外傷後成長(PTG)につながる要因の二国間比較
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18K10430
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本多 由起子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90782219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 正博 京都大学, 医学研究科, 教授 (10127516) [Withdrawn]
木原 雅子 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10325657) [Withdrawn]
竹内 裕希子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40447941)
古澤 拓郎 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (50422457)
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253) [Withdrawn]
柏木 聖代 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (80328088) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会疫学 / メンタルヘルス / PTG / 心的外傷後成長 / 国際保健 / 災害 / レジリエンス / 子ども |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的: 本研究の目的は、第一に2015年のネパール地震、2016年の熊本地震を経験した子ども及びその保護者を対象とし、被災後のPosttraumatic Growth (PTG)の実態、関連する個人・社会・環境的要因を明らかにすることである。第二に両国で得られた結果を比較検討し、双方の共通点・相違点を明確にすることで、子どもと保護者のメンタルヘルス支援を担う両国の保健医療従事者に対し、文化的社会的背景に基づいたローカルな支援と、より広い地域で共通となるグローバルな支援とに関する資料を提供することである。 【令和元年度(2年目)】 2年目となる令和元年度は、研究調査遂行に先立って、フィールドの現状に即した計画立案・調整のため、熊本フィールド研究分担者と現地フィールドの最新状況および研究方法について複数回の打ち合わせを行い、協議を進めた。またネパールフィールドについては、現地における調査研究協力者であるネパールの国立大学医学部精神医学部教授、および現地カウンターパート研究チーム主任とオンラインにてネパール国内の現状をアップデートし、調査の枠組み・運営に関する協議を深め、資料収集を継続した。さらに令和元年度より新たに分担を依頼した京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の研究分担者と打ち合わせを実施し、国内外の研究調査デザインについて連携体制を深めた。これらと並行して、本調査における疫学的解析手法の検討および構築に資する新規の情報収集を継続的に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の所属機関変更に伴い、調査進行を一時的に見合わせざるを得ない期間が長期継続していること、さらに年度後半における新型コロナウィルスの感染拡大により、当初予定していた計画の延期・中止が続いたことから進捗状況に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、国内外の調査対象地のセレクションを進め、ネパールおよび熊本で被災した地域に居住する対象者のリクルート段階へ移行する予定である。調査は質的調査(インタビュー)と量的調査(質問紙)を融合したMixed Methodsを用い、インタビュー実施後に収集した質的情報を踏まえ、PTG関連尺度・その他項目を含む質問紙を開発し実施する計画である。しかしながら、本年度開始時点(2020年4月)において、前年度後半から勃発した全世界的な新型コロナウィルス感染症の流行が今なお継続中であり、ネパール国内はロックダウン(都市封鎖)が続き、渡航禁止状態が続いている。さらに日本国内においても全都道府県が緊急事態宣言下におかれ、不要不急の外出自粛、三密(密集・密閉・密接)の忌避、およびソーシャル・ディスタンスの保持等の徹底が強く要請されている状況である。これらを鑑み、当初計画の遂行は、現時点において実現可能となる時期等の予測において甚だ不透明な状況と言わざるを得ない。したがって、まずは今後の感染症流行の推移・経過を注意深く観察するとともに、状況によっては研究計画・研究方法そのものの抜本的見直しを行うことも視野にいれながら、国内外の研究分担者・研究協力者と協議しつつ、適宜判断・検討を進めていくこととする。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属機関変更に伴い、調査進行を一時的に見合わせざるを得ない期間が長期継続していたこと、さらに本年度後期における新型コロナウィルスの感染拡大により、当初予定の中止・延期が続いたことから進捗状況に遅れが生じ、当初予定していたインタビュー調査・質問紙調査を次年度以降に繰り越すこととなった。このため次年度使用額が生じた。次年度以降は、①インタビュー調査②質問紙の開発③質問紙調査を、引き続き今後の新型コロナウィルス感染症流行の状況を考慮しながら、実施予定である。
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