2018 Fiscal Year Research-status Report
看護職者の学習ニーズを反映した小児在宅看護教育プログラムの構築
Project/Area Number |
18K10444
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
櫻井 美和 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (10404922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 美穂 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (00352617)
松崎 奈々子 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 助教 (60761781)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小児在宅看護 / 看護師 / 学習ニーズ / 継続教育 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅療養中、在宅移行期にある子どもと家族の看護に携わった経験のある、小児専門病院、小児病棟を有する病院、重症心身障害児(者)施設の小児関連病棟看護師と、訪問看護ステーションの訪問看護師 計10名を研究対象者として、面接ガイドに基づき半構造的面接を実施した。面接内容の逐語録へのデータ化するとともに、質的データ法に基づき第一次分析を進めた。 現時点の分析結果では、小児病棟関連看護師の場合には【家族との信頼関係形成技術(コミュニケーション能力、カウンセリング技術)】【情報収集・アセスメント能力】【子どもと家族の在宅療養生活の実際についての知識】を習得したいという学習ニーズをもっている看護師が多かった。また、自己の看護実践への満足感をもち学習ニーズをもたない看護師や、看護実践上の困難感をいただきながらもそれらを解決するための方略としての学習ニーズを見出すことができない看護師もいた。一方、訪問看護師の場合には、【家族との信頼関係形成技術(コミュニケーション能力、カウンセリング技術)】【障がい児や医療的ケア児の家族の心理的特徴に関する知識】【医療的ケアに関連した小児看護技術】【最新の医療機器に関する知識】【最新の社会資源に関する知識】等、多様な学習ニーズをもっている傾向があった。 小児在宅看護に関連した看護師の学習ニーズは、小児関連病棟看護師と訪問看護師では相違があり、病棟看護師と訪問看護師の対象者別の継続教育プログラムを展開することの必要性が見出された。また、共通する学習ニーズは【家族との信頼関係形成技術(コミュニケーション能力、カウンセリング技術)】であり、人間関係形成論、コミュニケーション論、家族の心理特性等の基本的知識のみでなく、グループワークや技術演習(ロールプレイング)等も取り入れた継続教育プログラムを展開する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小児専門病院、小児病棟を有する病院、重症心身障がい児(者)施設の小児病棟関連看護師との面接日程を調整・決定した上でデータ収集訪問をしたが、病院・病棟の事情により急遽中止となることが多く、データ収集が遅れた。 また、小児在宅看護に携わった経験のある訪問看護師が少なく、研究対象者のリクルートメントが難しい状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、質的データ分析の信頼性と妥当性を高めることを目指してデータの飽和化を図るために、小児関連病棟看護師へのデータ収集を補完するとともに、訪問看護師へのリクルートメント範囲を広げ、データ収集を進めた上で、研究結果を学会等で公表する。また、質的データ分析で得られた結果、先行研究、看護師の継続教育に関わるクリニカルラダーやガイドラインに基づき、自記式質問紙の作成とデータ収集を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に実施予定であったデータ収集が遅れた。データ収集に使用予定であった物品費、交通費、人件費・謝金分としてあてるとともに、2年次に実施予定である研究を進める。
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