2021 Fiscal Year Research-status Report
看護職者の学習ニーズを反映した小児在宅看護教育プログラムの構築
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18K10444
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
櫻井 美和 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (10404922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 美穂 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (00352617)
松崎 奈々子 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 助教 (60761781) [Withdrawn]
山崎 彩 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 助教 (10826019)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小児在宅看護 / 看護師 / 学習ニーズ / 看護継続教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
小児関連病棟および訪問看護師の小児在宅看護に関する学習ニーズを明確にすることを目的に質的研究を実施した。COVID-19感染拡大に伴い研究対象者が限られたため、既に収集したデータを基に詳細で深遠な分析を行った。結果は以下のとおりであり、一次分析とは異なる結果を抽出した。 看護師の学習ニーズとして①在宅療養を必要とする子どもを育てる両親の心理特性、②在宅で療養する子どもと家族の医療・看護・福祉を基盤とした生活のイメージ化、③科学技術の進歩に対応していくために必要な最新の医療機器とその操作方法、④日々変革する社会資源に関する最新の知識とその更新、⑤在宅で療養する子どもの統計的な推移、⑥障がいのある子どもの身体的な成長に伴う呼吸管理・ポジショニングに関する知識・技術、⑦在宅療養を必要とする子どもの家族との援助的関係を構築するために必要なコミュニケーション技法、⑧在宅療養を必要とする子どもの家族への心情に呼応する教育的支援方法、⑨在宅で療養する子どもへの虐待に対応するために必要な知識・技術と多職種連携のあり方、⑩在宅移行に伴う問題の解決と円滑な在宅移行を目指した多職種連携チームの中でのメンバーシップと協働の方法、⑪在宅療養を必要とする子どもの家族に寄り添おうとする基本的姿勢などが十出された。 また、研修プログラムの方法として、①体験型研修、②情報共有、③事例検討等の方法を取り入れることへのニーズは高かった。なお、少数ではあるがe-learninへの要望もあった。 なお、分析過程で①看護師は在宅移行期にある子どもと家族への看護において多様な困難感を抱いていること、②困難感を抱いてはいるものの必ずしも学習ニーズとして意識ているわけではなく、困難を試行錯誤(上司からの助言、多職種連携の強化、自律的な学習等)し解決していきながら経験知を蓄積しているという、看護師の学習プロセスも明確になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う大学業務に追われ、研究に費やす時間がほぼ確保できず、エフォートが減った。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19感染症拡大の影響により、①医療逼迫により施設、看護師からの研究への同意が得られない、②看護系大学であるため特に実習調整のための時間が大幅に増え、研究時間の確保が困難であるという課題が生じている。まずは、第1段階の質的研究の対象者も少なく、収集したデータ量も非常に少ないため、より深遠な分析を行い意味ある結果を出したい。 同時に、第2段階で行う量的研究に関して、当初は病院などの施設への郵送法によるデータ収集を予定していたが、リサーチ事業としてアンケートモニターを有している会社を介したデータ収集方法に変更し、取り組んでいきたい。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大に伴い、研究活動のためのエフォートが大幅に減り、さらに医療逼迫により研究対象者(看護師)を集めることに困難が生じ、研究を進めることができなかった。現在までに得られた一次研究の質的研究のデータ分析を進めるしか方法がなく、その結果に基づき論文執筆中である。今後は、論文執筆と並行して二次研究として、データ収集方法を変更して量的研究(アンケート調査)を行うことを目標とする。
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