2021 Fiscal Year Research-status Report
在宅重症児のきょうだい支援プログラム開発とその有用性の評価
Project/Area Number |
18K10445
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
古屋 悦世 北里大学, 看護学部, 助教 (00458754)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 ひで子 北里大学, 看護学部, 教授 (50433719)
辻 佐恵子 北里大学, 看護学部, 講師 (70422889)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | きょうだい児支援 / 在宅重症児 / 医療的ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、令和2年度より継続してきた医療的ケアのある在宅重症児および学童期のきょうだいを養育している母親を対象にした療育者交流プログラムに関する評価研究を実施した。プログラムの目的は、母親にきょうだいについて気軽に話す場を提供することできょうだいとの関わりを客観視することと、仲間づくりのきっかけをつくることである。COVID-19感染拡大状況を鑑み、対面で予定していたプログラムをZoomを使用したオンラインプログラムとした。参加者は2名(1グループ)であった。プログラム実施後のアンケート自由記載では、「みんな迷いながらきょうだいたちと関わっているのだなと安心した」、「きょうだいが自分に関心が向いていると感じられるように言葉をかけていきたい」といったプログラム目的にそった記載がみられた。 これと並行して、学童期のきょうだいのための交流会を実践した。これは、医療的ケアのある重症児と共に生活するきょうだい児交流会の評価に関する研究に向けた予備調査として実施した。プログラムの構成は3回とし、体を動かす遊び、好きなもの紹介、クラフト、テーマトークを組み合わせた。各回終了時に参加児童と保護者両者にアンケートを実施し、郵送式で回収し、単純集計をおこなった。参加人数は計4人、延べ7人、各回の平均人数は2.3人、平均参加回数は1.75回であった。学年は小学2年生が1名、3年生が3名、男女比は1:1であった。アンケート結果では、仲間の存在への気づきと同じような経験や思いをもっていることについて、3回目が最も得点が高くなっていた。回数を積み重ねることで、仲間意識や共通体験や思いを実感できていると考えられる。そのため、継続した交流会を実践しながら、プログラムの評価をおこなっていく必要性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
養育者交流プログラムの研究対象者の応募人数が予定数に満たなかったため、研究期間を1年間延長して研究対象者の再募集をおこなった。そのため、今年度予定していた研究結果の分析まで実施できていない状況である。研究結果の分析を2022年度におこなうことする。 同時進行で、学童期のきょうだい交流会に関する評価研究を実施予定であったが、今年度は予備調査までの実施となった。予備調査の内容を分析し、きょうだい交流会の有用性の評価を2022年度に実施予定とする。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究代表者が中心となり定期的にメール会議を開催し、研究分担者と研究協力者の意見を集約し研究遂行を下記の通りにおこなっていく。 1)養育者交流プログラムの分析とまとめ。2)学童期を対象にした在宅重症児のきょうだい支援プログラム案の実施と評価。3)上記2つのプログラムを統合した在宅重症児のきょうだい支援プログラム構築、4)在宅重症児のきょうだい支援プログラムに関する冊子の作成、Face Bookとホームページの立ち上げ、論文投稿により結果の公表と、研究成果の発信をおこなう。
|
Causes of Carryover |
当初は対面で計画していた交流プログラムをオンライン開催に変更した。それに伴い、交流会を対面で実施する際の経費や、きょうだい児支援プログラムへの視察に関わる旅費が計上されずに次年度使用額となっている。次年度は最終年度であるため、きょうだい児支援プログラムの視察や実践者からの意見を集約する機会をもち、分析や結果の公表に向けて準備を進め予定通りに予算を執行していく。
|