2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒヤリ・ハット事例を活かしたアクティブラーニング型アレルギーリテラシー教育の開発
Project/Area Number |
18K10448
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
大沼 久美子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (00581216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 司 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (50235256)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 小学校 / ヒヤリ・ハット / 授業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学校における食物アレルギー教育・研修プログラムを開発し、その効果を検証することである。対象は、小学校の児童、中学校の生徒、教員を目指す学生、小・中・高校の教職員、及び保護者である。いずれを対象とした食物アレルギー教育・研修プログラムは、学校生活上で身近に起こるヒヤリ・ハット事例を活かす内容とすることでその発生を未然に予防することを狙う。。 2020年度は第一に、2018年度に開発した食物アレルギーに関するヒヤリ・ハット事例を活かした紙芝居型動画教材を用い、アクティブラーニング型の授業効果を検証した論文を投稿した。本論文は小学校2年生を対象に S県及びK県において授業介入群と対照群を設定し非ランダム化比較試験にて実施し授業前、授業直後、授業3か月後の3時点の授業介入群と対照群の得点を比較するとともに主効果交互作用を検討した内容である。現在、国内学術雑誌の査読審査中である。また、小学校6年生を対象に、同様の研究デザインで実施した論文についても投稿準備中である。 第二に、食物アレルギーに関するヒヤリ・ハット事例を活かした紙芝居型動画教材を用いて、小学校教員を目指す学生50名を対象にS県教員養成セミナーにおいてアクティブラーニング型の食物アレルギー講座を実施した。その効果を検証するために、講座前及び講座直後の食物アレルギーの知識や認識の変化を検討した。本講義前に食物アレルギーについて学んだ経験は10%程度であり、学校で対応する際の指針となる「学校生活管理指導表」の存在を知る者は6%程度であった。アドレナリン自己注射薬(通称エピペン)は7割のものが聞いたことはあると回答したが、その使用方法は2割程度しか知らなかった。講義後はほとんどの項目で有意に知識の上昇がみられたが、学校給食の対応指針の項目の正答率が低かった。食物アレルギーと学校給食についての指導が求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
児童に対する食物アレルギーリテラシー教育の開発及び効果検証についての論文投稿ができたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初は保護者を対象とした食物アレルギー講座が実施できず、研究期間の延長を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、小学校教員を目指す学生を対象に引き続きS県教員養成セミナーにおいてアクティブラーニング型の食物アレルギー講座を実施しその効果を検証し論文投稿する。また、保護者を対象に食物アレルギーに関するヒヤリ・ハット事例を活かした紙芝居型動画教材を視聴してもらいその効果を検証する予定である。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、食物アレルギー講座の開催や保護者が視聴する機会が中止になることも予測される。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により研究が進まなかったため、研究期間を延長した。それに伴い、前年度実施予定であった旅費及び消耗品等を使用する予定である。
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