2018 Fiscal Year Research-status Report
小児の痛みを伴う処置時の家族参加のガイドライン作成
Project/Area Number |
18K10451
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
小出 扶美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (20236524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮谷 恵 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (00267874)
山本 智子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (70516715)
鈴木 恵理子 淑徳大学, 看護栄養学部, 教授 (20249246)
市江 和子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (00279994)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児 / 処置・検査 / 採血・点滴 / 家族参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
痛みを伴う処置時の家族参加に関するガイドラインを作成するために、2018年度はアレルギー科や皮膚科など小児科以外にも診療科を有する小児科診療所を対象に、採血や点滴、予防接種の処置時の家族参加の実態調査を行った。方法は郵送による自記式質問紙調査。全国の小児科を標榜する無床の診療所のうち、主たる診療科を小児科で届出をしている診療所(2017年実施の小児科単科を除く)2200を調査対象とし、看護責任者に回答を求めた。507通の返送があり(回収率23.0%)、501通を分析対象とした。 採血及び点滴などの血管確保時の家族参加の有無(n=496)は、「参加している」230名(46.4%)、「参加していない」157名(31.7%)、「状況によって異なる」109名(22.0%)であった。参加形態(n=230)は「抑制」が74名(32.2%)であった。参加理由は「子どもの情緒的安定」が194名(84.3%)と最も多かった。参加していない理由(複数回答n=157)は「家族の動揺」121名(77.1%)、「医療行為の妨げ」112名(71.3%)であった。予防接種(n=498)は99.4%とほとんどの診療所が家族参加で実施されていた。 家族参加の現状の現状に対する意見は「現状でよいと思う」435名(86.8%)、「よくないが仕方がない」38名(7.6%)、「よくないので変えたい」1名(0.2%)であった。痛みを伴う処置時の家族参加に対する自由記述は、親の安心のための処置の可視化の必要性など参加を肯定する記述がある一方、医療者側のプレッシャーや処置場面を見せることによる家族の精神的負担に関する記述も多かった。その他、処置中に医療者の集中力を妨げる親の行動など処置時に感じる家族の問題も多くあげられていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り複数の診療科を有する小児科診療所を対象に郵送による質問紙調査を実施し、無床の小児科診療所における痛みを伴う処置時の家族参加の実態を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
採血や点滴などの痛みを伴う処置時に家族参加のガイドラインを作成に向けて、今まで実施した病院調査と小児科単科の診療所の調査、2018年度の複数の診療科を有する小児科診療所の調査の自由記述を分析し、家族が参加したことによる利点や問題点、家族参加の可否を決める条件や課題を抽出する。その後、病棟、小児科外来、小児科診療所に勤務する看護師を対象に自由記述で整理した問題点や課題に対する面接調査を実施し、子どもと家族の最善の利益につながる家族参加に向けた改善策を導き出す予定である。
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