2019 Fiscal Year Research-status Report
青年期の小児がんサバイバーのセルフケアを支援する看護支援モデルの開発
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18K10469
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
大池 真樹 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 准教授 (70404887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 淳子 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (50157450)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小児がんサバイバー / 小児がん経験者 / 青年期 / セルフケア / 病気体験 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年は,「青年期の小児がんサバイバーへの面接調査」データをまとめ,論文作成・論文投稿を実施した.青年期のセルフケアタイプの分類と各タイプのセルフケアの特徴が明らかとなり,青年期のセルフケア支援において,発症時の発達段階や青年期に至るまでの病気体験とセルフケアの積み重ねに着目することの必要性が明示されたことが成果として挙げられた. 具体的には,青年期にある小児がんサバイバーのセルフケアとして,健康管理は外来受診と晩期合併症に対する日常生活上の自己管理,社会生活への適応は学校や職場で周囲の人々に病気について伝えること,体調に合わせて学校生活や仕事を調整することが抽出され,【主体的な健康管理】または【習慣的・選択的な健康管理】,【主体的な社会生活】または【消極的な社会生活】それぞれの組み合わせでセルフケアタイプが3つに分類された.青年期のセルフケアタイプ1は,病気を理解できないことや自信のなさから【習慣的・選択的な健康管理】と【消極的な社会生活】であった.タイプ2と3は,病気について理解したことを基に難しさを感じながらも入院生活や社会生活に対処し【主体的な社会生活】を実施していた.また,タイプ2は【主体的な健康管理】であったが,タイプ3は晩期合併症の発症がないことが影響し【習慣的・選択的な健康管理】を実施していた.今後の課題として,今回分類されなかったセルフケアのタイプ「主体的な健康管理」と「消極的な社会生活」が抽出される可能性,研究協力者を増やすことや実際に青年期の小児がんサバイバーのセルフケア支援を実践している看護師への面接調査による検証が挙げられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
青年期のセルフケアタイプ分類とセルフケアの特徴の明確化,ならびに査読を経た論文投稿に時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
看護支援モデルを考案する. 1)令和元年度に明らかとなった成果と文献検討を基に試案を作成する. 2)作成した試案を基に,青年期のセルフケア支援について実践に携わるエキスパート(小児看護専門看護師)の専門的知識の聴取に向け,研究計画書の作成と倫理委員会への申請,研究協力依頼を進め,データ収集(新型コロナウイルス感染症を考慮し,対面ではなく,リモートや質問紙調査)を実施する.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行に伴い,専門知識や情報収集のための会議や学会参加の「旅費」が抑えられた.令和2年度も新型コロナ感染症が収束しない状況を考慮し,看護支援プログラム試案作成・修正のための会議等のデジタル機器購入経費を申請する.
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